水の相分離による液滴状の生体分子反応領域は、電磁波やソマチッドに関わっている?

これまで、DNAの情報をmRNAが転写し、特定のタンパク質をつくるという極めて直線的な反応モデルで生きた細胞を捉えていた。しかし、細胞にかかる外圧も時々刻々と変わり、それに適応するための反応(液滴によるストレス顆粒の生成と、その中での様々なタンパク質やRNAの形成と分解等)を細胞の各所で、時々刻々、別々に実現するという複雑な過程は捨象されていた。

そこでは、複雑で多種の反応を別々に起こすため、反応ごとに種類の異なる液滴状の細胞内の生体分子反応領域が形成される。そこに、膨大な細胞内生体分子から必要な材料だけより分けて集め、必要なタンパク質や各種のRNAなどを形成する。

液滴状の生体分子反応領域は、水の粘度差等を利用してお、細胞膜と同様な機能を持っており、変化する外圧に素早く形成され、その外圧対応が終わると消えていく。この反応は、大きくは秩序化の方向にあるので、負の誘電率などの反エントロピー空間を形成していると思われる。

そうすると、化学反応だけで細胞内活動が決まっているという生物学の常識も翻され、最初に電磁波やソマチッドの受信機能などが関与し、液滴状の生体分子反応領域が形成され、その中でタンパク質の立体構造化などの高秩序化する化学反応が起きている可能性がある。

つまり、水の相分離による液滴状の生体分子反応領域は、電磁波やソマチッドに関わってるのではないか。

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以下引用

『細胞はその内容物をどう整理しているか(リンク)』
How cells marshal their contents
Ken Garber

細胞の内部という舞台に立っている数多くの役者たちは、どのようにして正確な場所と適切なタイミングで集まり、それぞれの重要な役割を果たしているのだろうか? 生物学者らは徐々に気付き始めているが、その最たる答えは液滴である。最近まで知られていなかったが、液滴は細胞内のいたるところに姿を現し、居並ぶ役者たちの仕事をまとめあげているのである(時には台無しにしてしまうこともある)。

数万ものタンパク質やその他の生体分子が細胞質内に存在している。この濃密な液体が細胞の核を取り囲み、しばしばぶつかり合い反応することで、栄養素の分解によるエネルギー生成から老廃物のリサイクルに至るまでの生命現象を担っている。

2009年初頭、研究者らは、とりわけ細胞のストレス応答時において、多くのタンパク質が分離もしくは凝縮して離散した液滴となり、そこでは内容物の濃度が高くなっていることを発見した。この「液-液相分離」という現象は、ちょうどサラダドレッシングのビネグレットソースでは油と酢が混ざらずに「分離」しているのとそっくりである。

液-液相分離は今や、細胞生物学における最もホットな話題のひとつとなっている。それは、この現象が重要な生化学反応を促進するものであり、さらに細胞の基本的な組織化原理となっていることを示すエビデンスが積み重ねられつつあることからもわかる。

2017年にNatureに掲載された2報の論文は、核内に存在するタンパク質の液滴がゲノムの圧縮された領域を作り出し、その部位において遺伝子発現の抑制が起きていることを報告している。本年Scienceに掲載された3報の論文では、相分離にはさらに大きな役割があることが指摘されている。

これらの論文の著者らは、タンパク質の新規合成の第一段階でもあるDNAからRNAへの遺伝情報の転写を制御するタンパク質が凝縮して液滴となり、DNAに結合していることを明らかにしている。この現象の詳細についてはまだ明らかにされていないが、これらの研究は遺伝子の選択的発現という生命の根本的な謎のひとつにおいて、相分離がもつ役割を明らかにしたのである。

生物物理学者らは、これらの液滴がどのようにして形成されるかを解明することに取り組んでいる。ある種のタンパク質はスパゲッティのようなしっぽを引きずっており、これらが相互作用を起こして凝縮を誘発している。しかしこの過程がうまくいかないと、液体とならずにゲルになってしまう。

ゲルは時として凝固し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経変性疾患で認められるような凝集体を形成してしまう。3月のScienceに掲載された論文では、このような現象が起こるのはそうしたタンパク質が細胞の核から不適切に排出された場合であることを報告している。4月にCellに掲載された4報の論文では、この有害な凝集体を分解する有望な手段が明らかにされ、さらに現在では複数の研究室がこの知見を利用して神経変性疾患の治療薬の開発に取り組んでいる。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=354034

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