極微の生命体ソマチッドを発見
リンク より現代医学と千島学説では、そもそもその依って立つ科学の基盤が根本的に異なっている。
現代医学はあくまでもニュートン力学的な古典物理学に立脚し、千島学説は量子物理学的な科学に立つ。たしかにニュートン力学でも月に宇宙飛行士を送ることはできるが、それは生命の神秘や人体の絶妙な働きを説明することができない。物質をどんどん小さなものに還元していくと、そこには摩訶不思議としか思えない量子の世界が広がっているのだ。現代の生物学や医学は生命の基礎単位を細胞とみなし、それを支える生命メカニズムを糖鎖構造やタンパク質、遺伝子などに求め、それらの働きを化学反応式によって表してきた。要するに、生命現象をいきなり分子生物学に還元してしまったのだ。しかし、本当に生命の基礎単位は細胞なのか。確かにアメーバなどの単細胞生物には生命活動の基本条件がそろっている。だが、だからといって細胞が生命の基礎単位と言い切るのは早計すぎよう。
というのも、顕微鏡技術が進んだいま、血液の中にはもっと微小な、明らかに独立して生命活動を営む有機体がはっきりと認められるからだ。そしてこのことも、実は千島博士が予測していたものだった。ただ、千島が使っていた当時の顕微鏡には倍率や分解能などで限界があったため、千島はそれを「バクテリアやウイルスの自然発生」という言葉で表した。しかしその後驚異的な顕微鏡が開発されることにより、細胞よりもはるかに小さな、不思議な生命体の存在が発見され、リアルに観察されたのである。
その発見者はフランスの生物学者、医師にして顕微鏡研究者でもあったガストン・ネサンである。ネサンの波瀾万丈の半生を紹介したクリストファー・バードの『完全なる治癒』(徳間書店刊)によれば、1924年フランス北部のルベに生まれたネサンは、幼い頃から数々の発明を行い、早くからその天才ぶりを発揮していた。大学では物理、化学、生物学を学んだが、手続きミスで卒業証書をもらいそこね、その後フリーランスの研究者として血液分析にのめりこんでいく。そんななか血液中に不思議なものを見つけ、もっとよく見える顕微鏡が欲しいと思い立ち、そこから顕微鏡の開発に取り組んでいった。
(中略)
そこから見えてきたものは、驚くべき「生命の宇宙」だった。そしてネサンはそこにうごめく小さな生命体を発見した。それは細胞よりもはるかに小さな生殖する有機体だった。驚いたネサンはそれをソマチッド(小体)と名付け、さらにつぶさにその生態を観察し続けた。すると、その小体は自らが置かれた環境に応じてさまざまなかたちに次々と変化していった。健康な生物体ではソマチッドが胞子、二重胞子に変化するだけでこの3つのサイクル内に留まっているが、いざ環境に異変が起きると、さらに新しく13の段階を経て成長していく。つまりソマチッド・サイクルは、全部で16の異なる形態を持っていたのである。
(中略)
生命の謎を解いたネサンだったが…
ネサンが発見したソマチッドは、とにかく不思議な生命体だった。摂氏200度以上の高温でも死なず、どんな生物も殺す威力を持つ5万レムの放射能にも耐え、どんなに強い酸の影響も全く受けず、遠心分離機にかけてもびくともしない。それはまさに不死身の生命体だったが、そのソマチッドがすべての生命体、そしてわれわれ人間の血の中で活動していたのである。それを知ったネサンは、その後も夢中でソマチッドの研究に没頭していった。そしてその後の研究で、動物や人間の免疫機構が弱まったり不安定になったりしたときに、ソマチッドの正常な形態が異常領域の形態に次々と変化していくことが分かった。つまり免疫機構の弱体化が、正常な3段階から次の13ステップへの形態変化を踏み出させる。その引き金を引くのはどうやらトラウマ(衝撃的体験)のようで、例えば放射線や化学汚染、事故、ショック、鬱状態等々が免疫機構の弱体化をもたらす原因になっているらしい。
しかもソマチッドの形態と疾患との間には明らかに関連性があり、ソマチッドの形を見ればその人にどんな疾患があるのかも分かるようになった。ガン患者のソマチッドは常にある特定の形をしているのだ。こうしてネサンは、ソマチッドを検査することによってガンやリウマチなどの疾患判定ができるようになり、かつソマチッドの形を観ることで、ガンなどの変性疾患の発生を18ヶ月前に予知・予測することができるようになった。
ところでこの不思議なソマチッドは、いったいどこからどんなふうに誕生するのだろうか。それについては「分からない」とネサンは言うが、とにかく赤血球の中にどんどんソマチッドが出現してくるのだ。そして「分からない」とは言いながらも、ネサンは「ソマチッドがDNAの前駆物質ではないか」と推測し、ソマチッドが生物と無生物の間の「失われた環」であることをほのめかす。このことについて、ネサンの妻であり良き研究パートナーでもあるフランソワーズは、さらに次のように突っ込んだ発言をしている。
私たちは、ソマチッドは「エネルギーの具現」であるという結論に達しました。
ソマチッドは生命が最初に分化した具体的な形態であり、動植物の生きた生体に伝達できる遺伝的特質を持っています。ソマチッドは、基本的に電気を帯びています。したがって互いに近づくと、自動的に反発し合います。ソマチッドは、史上最小の生きた「エネルギーのコンデンサー」と言えるでしょう。ソマチッドは生命が最初に分化した具体的な形態であり、エネルギーの具現、エネルギーのコンデンサーではないかとするこの言葉は、量子物理学者たちやラズロの世界ともつながってくる。千島もまた「気は超エネルギーであり、それが血に影響を与えている」とした。
量子世界は目には見えず、千島学説でもその辺りをおぼろにしか示していないが、ネサンは顕微鏡で実際にソマチッドを発見し、それを「エネルギーの具現」「生命が最初に分化した具体的な形態」と見ているのだ。このことは、実はノーベル賞を受賞したハンガリーの科学者、アルバート・セント・ジオルジもすでに予測していたことだった。「生命の秘密は、最終的には電子、もしくは電気を帯びたその他の素粒子のレベルで発見されるはず」と。