食事を改善しインフルエンザを予防する方法・・・ポイントは「ビタミンD」

食事でインフルエンザ予防

全国的にインフルエンザ流行っていますね。しかし、流行っているからといって今さらバタバタ慌てても仕方ないんです。

同じ空間にいてもインフルエンザに感染する人しない人に分かれますよね。この違いは色々ありますが、ある型のインフルエンザウイルスに対する免疫システムを仮に確立していても、ご存じのように彼らは抗原変異が頻繁に起こりますので、かかる人はかかるんです。

よって重要なポイントとなるのはやはり普段からの「栄養素」の摂取です。感染症とは、栄養が欠乏(または不足)しているときに発症しやすいということを常に念頭に置いておいてください。

そこで、今日はインフルエンザに対抗できる栄養素について簡単にまとめておきます。しかし、個人差がありますので、万人にあてはまることは当然ありません。あくまで参考程度に。

①まずはビタミンD

冬にインフルエンザ発症が多いのは、乾燥だけでなく、日照不足によるビタミンD量低下も関係しています。

6~15歳の子どもたちに12月~3月の間、毎日1,200IUのビタミンDを投与した群と、プラセボ(偽薬)を投与した群に分けて調査しところ、ビタミンD投与群の方が、インフルエンザ罹患率が低かったことがわかっています(Am J Clin Nutr. Am J Clin Nutr 91, 1255-1260)。

アタスカデロ州立病院のジョンキャネル博士らの研究では、ビタミンD摂取群と非摂取群を比較したところ、非摂取群では冬季にインフルエンザ発症率が極端に多いのに対し、ビタミンD摂取群では季節による違いはありませんでした(Expert Opin Pharmacother. 2008 Jan;9(1):107-18)。

ビタミンDはばい菌やウイルスと戦うカテリシジンやディフェンシンという強力な抗微生物ペプチドを作ります。事実、抗生物質が発見されるまで、感染症の治療法に日光浴(VD合成)が主流でした。

病原体がマクロファージにあるTLRと呼ばれる免疫スイッチを刺激すると、マクロファージ細胞内でビタミンD受容体(VDR)の発現が上昇します。そしてこの細胞内で同時にビタミンDを活性型にし、これがVDRと結合することで抗微生物ペプチド「カテリシジン」が分泌されます。この抗微生物活性によりマクロファージは取り込んだ病原体をオートファジーによって分解するわけですね。

②セレンと亜鉛
免疫や抗酸化システムにおけるセレンの可能性はほんとうに無限大というほど重要です。そして、インフルエンザに対するセレンの効果として、セレンがインフルエンザの抗原変異をストップさせるということがわかっています。逆に言えば、セレンが不足した状態ではインフルエンザウイルスの変異を促進させるきっかけとなるのです(Exp Biol Med 2007 Mar;232(3):412-9 ; FASEB J. 2001 Aug;15(10):1846-8)。

フランスで行われた研究では、亜鉛20mg/日とセレン100μg/日を摂取した高齢者は、インフルエンザワクチンに対する抗体反応が増加し、2年間で呼吸器感染症を発症する可能性が低いことがわかっています(Arch Intern Med. 1999 Apr 12;159(7):748-54)。

④にんにく成分
アメリカのプラセボ対照二重盲検比較試験では、熟成ニンニク成分がインフルエンザの重症度を軽減するのに役立つかもしれないと言うことが発表されています(Clin Nutr. 2012 Jun;31(3):337-44)。

⑤N-アセチルシステイン
N-アセチルシステイン(NAC)は還元型グルタチオンの類似体または前駆体成分です。

イタリアの研究ではNACを摂取しているグループのほぼ3分の2がプラセボ群と比較してもH1N1インフルエンザ症状を予防するのに役立ったことがわかっています(Eur Respir J. 1997 Jul;10(7):1535-41)。6ヶ月の間、1日2回プラセボ薬またはNAC を600mg与えたところ、プラセボを受けているグループのうち79%がインフルエンザを発症していました。ところが、NACを服用しているグループのインフルエンザ発症率は約25%だけでした。

さらに、NAC摂取グループはその症状は有意に軽度だったのです。また、この間、NAC群はプラセボ群と比較しても免疫機能に有意な改善があったことが報告されています。

しかし、システインというアミノ酸は個体によってはかえって悪化してしまうことがありますので、本来ならここはメチレーション回路を勉強してからの投与が望ましいと言うことになります。

以上、まとめると、インフルエンザ感染は現在猛威をふるっていますが、まずは日々の栄養がその予防を高めるということを知っておくと、さほど怖がることもないのです。感染症はつねに栄養状態によって左右されるのです。

参照:https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1091911874322513&set=a.122416054605438&type=3&theater

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