植物は<知性>を持っている-3

『植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム』の著者ステファノ・マンクソーのTEDでの講演を紹介します。 

以下、(リンク)より転載。
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7 根端には数百ものニューロンのような機能を持つ細胞がある

さて これは斜面を上って 伸びている根端です。このような動きは見覚えあると思いますが ミミズや蛇など 地上を足なしで動く すべての動物が見せる動きと 同じです。これは簡単な動きではありません。このような動きをするには 根の様々な部位を動かす必要があり 脳がなくても これらの別々の部位を 同時に動かさなくてはなりません。そこで私たちは根端について研究し 特定の場所があることを見つけました。ここです。青で示されている部分です。移行領域と呼びましょう。この部位は非常に小さく 1ミリ以下です。そしてこの小さな領域で この植物の最も高い 酸素消費量が見られます。更に重要なのは このような種類の信号があることです。みなさんが見ているこれらの信号は活動電位で 私たちの脳のニューロンが 情報交換をするのに使用する信号と 同じものです。根端には数百もの このような機能を持つ 細胞があると 今では分かっていますが ライ麦のように小さな植物でも 大きな根端があることも分かっています。140万本にも及ぶ 根があり 115万の根端が あります。合計600キロ以上の長さとなり 非常に大きい表面積となります。

8 90%の根の組織を取り除いても植物は生き残ることができる

ここで一つ一つの根端が 他の根端とともに ネットワークを作っていると考えてください。こちら左にあるのはインターネットで 右にあるのは根の組織です。両方同じように機能しています。これらは小さなコンピュータが ネットワークを形成して 動いているようなものです。でもなぜこのように似ているのか? それは両方が同じ 理由で進化したからです。捕食に耐えるためです。両方同じような働きをします。90%の根の組織を取り除いても 植物は生き残ることができ 90%の接続が切れても インターネットは存続できます。ですからネットワークの 研究者たちに勧めたいのは ネットワークをいかに進化させるかについて 植物は良いアイデアを 示唆できるということです。

9 人造植物からアイデアを得よう

そして別の可能性として 工学的可能性が挙げられます。想像してみてください。植物からアイデアを得た ロボットを作れるとします。今までは 人は人間や動物からのみ ヒントを得て ロボットを制作していました。動物をもとにした普通のロボット 人造動物があり また人造昆虫などもあります。人間にヒントを得た 人造人間もあります。ではどうして人造植物はないのか? 飛びたい場合は 鳥を参考にして 鳥からヒントを得るといいですね。でも土壌の研究や 新しい土地を 開拓したい場合 一番いいのはそのようなことに長けている 植物からアイデアを得ることです。別の可能性として 私の研究室で行っているのは ハイブリッドを作ることです。ロボットより作るのがもっと簡単です。ハイブリッドというのは 半分生物で半分機械のものです。この場合植物を扱う方が 動物よりもずっと簡単です。植物には計算能力があり 電気信号もあります。機械との接続もずっと簡単で 倫理的にももっと叶っています。藻類でできたもの 葉の先端で動くもの そして 植物の最も力のある部分である 根で動くもの、この3つがハイブリッドを作るうえで 私たちが取り組んでいる 可能性です。ご清聴ありがとうございました。最後に このプレゼンテーションの作成において ナメクジに危害を与えていないことを 保証します。ありがとうございました。

最後に

ノアの方舟に植物は描かれていない。植物は命があるだけでなく感覚も持っている。地球上で一番大きな生物はセコイヤデンドロン。植物も開花や遊び、睡眠を取り、コミュニケーションに長けている。幼根の先端が下等動物の脳のような働きをしている。根端には数百ものニューロンのような機能を持つ細胞がある。90%の根の組織を取り除いても植物は生き残ることができる。植物から学ぼう。

 

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