【北朝鮮ミサイル】もはや戦時中と言っても過言ではない状況だが、戦争はビジネスであり大衆に不安、恐怖を与え、それを解消するために経済を潤すマネージメント寸劇です。北朝鮮危機で儲かるのは誰か?

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 現在のトランプ政府も、来年度の軍事予算9%(六兆円規模)増額や、サウジアラビアとの史上最大の武器輸出合意などが取り沙汰されている。国防長官ジェームズ・マティスは海兵隊でイラク・ファルージャの虐殺を指揮し、中央軍司令官を解任された後はジェネラル・ダイナミクスの役員(年俸150万㌦)になり、軍産複合体を代表する人物といわれている。マイケル・フリン解任後、国家安全保障担当大統領補佐官を代行したキース・ケロッグ元陸軍中将は、イラク戦争後の「連合国暫定当局(CPA)」の最高執行責任者で、退役後は軍需産業CACIインタナショナルやオラクル社の顧問を務め、キュービック社(戦闘訓練システムの開発・製造・販売)では地上戦プログラム部門の副責任者だった。かれらがトランプ政府の中枢を占め、戦争を渇望する軍産複合体の利益を代弁している。

 戦争をひき起こし他国に干渉し続けることによって、兵器の生産と販売を増やし、軍需産業の利益を増やす。だがそれによって現地で何万何十万という民間人が殺され、何百万人が難民となっており、アメリカ本国でも数万の退役軍人が精神疾患になり、年間数千人が自殺している。こうした人間の殺戮と破壊を利潤獲得の根拠にする軍産複合体は、資本主義末期の腐敗の産物でしかなく、全世界で反米闘争が爆発する根拠にもなっている。

日本も高額兵器市場に  不安煽る一方で傾斜

 こうしたアメリカの後追いをしているのが日本である。安倍政府が実行してきた中心は5兆円ごえを果たした軍事予算の増額とともに、日本列島を丸ごとアメリカの下請戦争を担う軍産複合体として再編する方向だった。

 真っ先に着手したのは武器輸出の解禁である。軍需産業の役員が牛耳る経団連など財界が執拗に実現を要求した。民需が見込めないなかで武器販売の取引先が防衛省のみに限られた状態を変え、あらゆる国や軍需企業を対象に武器や関連部品の受注・販売を可能にし、世界の武器市場に本格参入するためである。

 武器輸出解禁後、三菱重工が地対空誘導弾ミサイルの追尾装置をレイセオンに提供することを決め、米国防総省が要求したイージス艦装備品(三菱重工と富士通が製造)の輸出を開始した。豪州の潜水艦製造に三菱重工と川崎重工が名乗りを上げるなど、他国の装備受注合戦も始まった。

 2年に1度開かれる世界最大の武器見本市「ユーロサトリ」、アジア地域を中心にした「海上防衛技術国際会議」などでの装備品売り込みにも拍車がかかっている。これを全面的に支援するため、自衛官400人を含む1800人体制で約2兆円の年間予算を握る防衛装備庁も発足させ、国家あげた武器ビジネス支援に乗り出している。

 そのために軍事機密保全の体制を強化した。三菱重工などの軍需産業ではどのような部品を作っているのかはつねに極秘扱いで、日本独自の「防衛秘密」と米国から供与された「特別防衛秘密」があり、「防衛秘密」の罰則は「5年以下の懲役」(契約業者社員も罰則対象)で「特別防衛秘密」は「10年以下の懲役」である。秘密情報を扱う施設は「記章」を着用しなければ入れず、消防署員が入るときも防衛省の許可が必要である。特定秘密保護法に続いて共謀罪法も成立させたが、それは反抗を許さぬ労務管理でアメリカの望む殺人兵器製造に日本の若者を駆り立てる地ならしである。

 政府開発援助(ODA)の軍事転用も解禁した。安倍首相は登場以来、外遊をくり返しバラマキを続けてきたが、この4年で資金供与を約束した総額は60兆円をこえた。この多くが政府開発援助(ODA)を表向きの名目にしている。このなかで「他国軍の支援は禁じる」と規定したODA大綱を見直し(2015年2月)、ODA資金を現地政府が武器購入に使えるようにした。外務省の概算要求は今年度当初予算よりODAを五五四億円増やし四八九七億円にするよう求めたが、こうした資金が現地政府を通じて兵器購入で大手軍需産業の懐へ流れ込む仕掛けにもなっている。

 こうしたなかで日本の軍事予算は上昇を続けている。2013年は4兆7538億円だったが、2016年には5兆円を突破。2018年度予算概算要求で防衛省は5兆2551億円を要求した。

 福祉予算や全国の市町村予算はギリギリに削り込む一方だが、軍事予算だけは5年間で約5000億円も増額する方向である。しかも米軍需産業は日本に異常な高値で装備を売りつけるFMS(対外有償軍事援助)方式で取引をしており、契約後に値段を数十億円単位でつり上げることが常態化している。アメリカからFMSで調達したF35を例に見ても、2012年当初単価が1機96億円だったのが4年後には1機181億円に変わり85億円も値上がりしている。1機122億円で契約していたオスプレイも購入時には1機211億円になっている。FMS方式で前払いさせて武器を実際に収めていない「未納入」が多多ある。「国防のために必要」と宣伝する軍事装備だが、金だけ払って実際は収められていないケースも約500億円分に達している。「国防」を錦の御旗にして軍需大手の公金つかみ取りがやられている。

 現在、アメリカを中心とする軍産複合体、その後追いをする日本の軍需産業群が北朝鮮の核実験やミサイル騒動、世界各地で頻発するテロなど「脅威」を煽る材料を追い風にして、「対テロ」と叫んで武器の販売、開発、輸出を加速し、武器市場の争奪戦に乗り出している。こうした軍需産業にとっては紛争や戦争の原因、正義か不正義かなど理由はどうでもよく、戦争や軍事緊張が長引くことで、どれだけ大量の兵器や関連装備を売りさばくかだけが関心事になっている。
 日本やアジア、世界の平和を守るには戦争を渇望する勢力の一掃が不可欠になっている。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=329445

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