糖尿病とインスリン、ビタミンDの関係性について。

糖尿病とビタミンD

糖尿病とビタミンDの関係については何度もアップしてきましたが、新しいメタ分析(2017年9月発表)が出てましたので、これとともに再度おさらいしましょう。

Ⅰ型糖尿病発症とビタミンD欠乏の相関は以前から報告されていますが、Ⅱ型についてもビタミンDが充足している人は罹りにくいという発表が多々されています。

すい臓のランゲルハンス島にあるインスリンを分泌するβ細胞には、ビタミンDの受容体VDRが発現しています。インスリン分泌を発現させる遺伝子活性の上流にこのVDRによる作用があるのです。そのため、インスリンとビタミンDの関係は深いです。またその代謝においてマグネシウムも関わっています。

さて、先月ですが、メタ分析において、Ⅱ型糖尿病患者にビタミンDを投与したところ、インスリン抵抗性と血糖を改善したという報告がありました。(J Clin Endocrinol Metab. 2017 Sep 1;102(9):3097-31100)

私がこのメタ分析を今回アップした理由は、ビタミンDの投与量です。過去の報告では、糖尿病においてビタミンD補給しても効果がないという論文も実はいくつかあるのですが、このほとんどが投与量が低かったのです(だいたい800~1000IU未満)。しかし、今回のメタ分析では、ビタミンDは一日に最低4000IU (100μg)としています。

結果、血清25(OH)D濃度(活性型ビタミンD)は増加し、空腹時血糖、HbA1C、HOMA-IRを有意に低下させ、Ⅱ型糖尿病患者の血糖コントロールとインスリン感受性の改善に役立ったことが報告されたのです。

インスリン抵抗性の人は、ぜひこのビタミンD投与(できればマグネシウムも同時投与)も視野に入れるといいかもしれません。

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