生活環境や食生活、生活習慣の違いにより、血糖値の差が出てくる。近代文明人と先住民の耐糖能の違い

高炭水化物食による耐糖能

サツマイモを主食とした高炭水化物食のニューギニア高地人の耐糖能(糖質代謝能力)が高かったとする研究があります。

当時の調査によると先住民の食事の90%以上がサツマイモを食べていたそうです。祭りや儀式のときには家畜である豚を屠って食べていましたが、日常の食事にはさほど食べられませんでした。家禽もいましたが、その卵や鶏肉もめったに食べられませんでした。高地人の中でもツキセンタ族の食事内容(男女45人)は、炭水化物540~410g、たんぱく質25.3~20.2g、脂質7.4~6.2gでした。

研究員はツキセンタ族の血糖調査をしました。結果、驚くべきことに、空腹時血糖は正常値、経口ブドウ糖負荷試験も正常値になりました。

これを1965年のティカムサ調査によるアメリカ人の結果と比較したところ、ツキセンタ族はすべての年齢層において、素晴らしい耐糖能を持っていました。(グラフ参照)

さらに、ツキセンタ族は、血圧、血清コレステロール値、 血清尿酸値ともに正常であり、 糖尿病や痛風もありませんでした。しかし、自家製タバコの喫煙の習慣があったせいか、心不全、脳や末梢血管疾患が少し高い有病率であったそうです。

ニューギニア高地人は一方でカニバリズム(人食い人種)としても有名ですが、『ニューギニア高地人』(本多勝一著)では1963年から約1年現地取材をしていますが、いわゆる人食いはどこにもいないとその著書の中では報告しています。

さて、現代人は確かに耐糖能が低下している人が多いと思われます。この原因として考えられるものに、極端な糖質オフ、リノール酸系の植物油の過剰摂取、マグネシウム不足、筋肉量の減少や運動不足、人工甘味料、慢性炎症などがあげられます。

このように生活環境や食生活、生活習慣の違いにより、血糖値の差が出てくるのです。

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