精油(エッセンシャルオイル)の飲用は要注意…安易な飲用は薬学的に考えても脂質栄養学的に考えても非常に危険です

精油の飲用は要注意

精油(エッセンシャルオイル)を飲んでも全然平気だと言われて、料理に入れたり飲料水に混ぜたりしている人が私の周りにも増えています。

このような安易な飲用は、薬学的に考えても、脂質栄養学的に考えても、、非常に危険です。まあ、自分の考えで飲むのは自己責任なのでいいと思いますが、人に安易に勧めるのはどうかと思います。

精油には芳香として楽しむだけでなく種類によってはさまざまな薬効性があるため、オイルと混ぜ合わせて患部に塗布すれば症状が和らぐ可能性があることは確かに事実でしょう。さらに、対する症状によっては、(稀ではありますが)濃度をかなり薄めた上で漢方薬的に飲用することもあるでしょう。

しかし、これらはあくまで専門的な知識を必要とした上での話であり、また特定の症状に対する専門的なセラピーであって、、誰もが安易にいつでも飲用してよいという話では決してないのです。

たとえば、わかりやすい話として、レモンの精油の1滴は、レモンジュースの1滴ではないのです。たくさんのレモンをまるごと使用して、ようやくその1滴が抽出されます。水蒸気蒸留法で抽出したローズ・オットーの精油はその1滴を取り出すのに、バラが40~60個も必要であるといわれています。ローマンカモミールの精油1滴はカモミール・ティーで例えれば35杯分の濃縮度です。ラベンダーは重さ220ポンドを使用してようやく1ポンドの精油が抽出されます。

植物はそもそも動物や細菌に食べられないようにあらゆる毒素を保持しています。人間は大型動物のため、植物を少し食べてもその毒性は低いかもしれませんが、このように濃縮された抽出物を摂取することは、毒性度がまた変わるのです。

さらに、精油は液体ジュースのように見えてもかなり濃縮された脂溶性の抽出成分のため、仮に水に混ぜて薄めても、水といつか離れて、尿として排泄されるよりは、粘膜から吸収され生体の組織に浸透しやすいことは容易に想像できます。

薬とはそもそも毒を利用したものですから、それが得意な症状があるのなら良好に働くかもしれませんが、その症状もないのに安易に飲用するのは生体にとって毒性を示す成分でしかないのです。

精油は絶対に飲用にしてはいけないものだとは言っているのではありません。専門的な知識もなく、また専門家による指導もない中で「安易に」飲用するものではないと言っているのです。

もし、飲んでも全然平気と言われたというのなら、それは「飲んで飲んで早く消費して、次のボトルを購入してね」という意図があったのかもしれません。

結局、こういう話は、消費者側の情報リテラシーにつながります。今回は精油という世界での話かもしれませんが、どの分野でもいえることです。

自分の頭で考えることもせず、また直感力や判断力が鈍っており、言われるがままに盲信してしまい、気づいたらトンデモな道を歩んでしまっている。。残念ながら、こういう人を実に多く見かけます。良い人ほど、ターゲットにされる世の中です。

これは、精油の専門外である私の個人的意見のため、どこまで正しいかはわかりません。しかし、直感的にみて、おかしいと感じることはできます。ぜひ、こういう事例が自分にないか客観視してほしいと思います。

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