コレステロールの嘘
コレステロールの摂取が心疾患や高血圧の原因にはならないことは、今やアメリカでも日本でも正式に認められています。しかしコレステロールが悪者にされてからその疑いが晴れるまで、実に長い年月がかかりました。
そもそもコレステロールを摂取すると動脈硬化を引き起こすというのは、100年ほど前にロシアで行われた実験が根拠となっています。ウサギにコレステロールをたくさん含んだエサを与えると、動脈硬化が認められたというものです。
この研究を神聖視する人たちは今日でも存在する一方、当時から疑問視する人たちもいました。ウサギは草食動物であり、普段の食事でコレステロールを摂ることが無いからです。
ではなぜウサギが用いられたのでしょうか。これは単純に、ウサギは耳に走っている動脈が浮き出て見えやすく、動脈の変化を観察しやすいから選ばれました。実際にウサギの耳を見てみれば、その理由がよく分かるでしょう。
ウサギは草食動物だから、コレステロールは通常摂取しない生き物なので、この実験結果を人間に当てはめるのは無理があるという批判の方はどうなったでしょう。はい、これはウサギ以外の動物で確認実験が行われました。ラット、モルモット、犬などです。しかしこれらウサギ以外の実験動物すべてで、いくらコレステロールを摂取させても動脈硬化を引き起こすことができませんでした。
結局コレステロールを与えて動脈硬化が観察されたのは、ウサギのみでした。ウサギ以外のすべての実験動物及び人間の観察研究すべてで、コレステロールの摂取が動脈硬化を引き起こすことを証明することはできませんでした。
それならばなぜ100年近くもずっとコレステロールが悪者にされてきたのでしょうか。その理由こそ、今日の栄養学の発展の歴史を理解するカギとなるのです。1900年代初頭から増加し始め、1950年代にアメリカの死亡原因第一位に躍り出た、心疾患の原因が動物性脂肪(飽和脂肪)やコレステロールであると強固に主張した人たちがいて、彼らにとってコレステロールは「諸悪の根源」でなければならなかったのです。
ではなぜ動物性脂肪が諸悪の根源でなければならなかったのか。それは砂糖産業の発展の歴史を理解することで見えてきます。砂糖産業は国際砂糖研究基金(ISRF)を設立し、砂糖が肥満、糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管障害などの原因では無いと民衆に思い込ませるため、大金を使って研究者を買収し、砂糖産業に都合の良い論文を書かせ、砂糖産業を擁護するような主張を繰り返させました。
ISRFお抱えの有名な研究者に、ジョスリン、ヒムスワース、アンセル・キースなどがいます。砂糖産業が栄養学に与えた影響力を知れば、栄養学の見方が一変することでしょう。https://www.facebook.com/shukaku.nagao/posts/1520294014715164