日本郵政社長「深くおわび申し上げる」…かんぽ契約、法令・社内規定違反疑い1万2836件。信じられないブラックさ。

かんぽ生命保険と日本郵便による保険商品の不適切契約問題で、日本郵政グループは18日、社内調査の結果と特別調査委員会の調査報告書を公表した。法令や社内規定に違反した疑いのある契約が過去5年で1万2836件に上り、9月の中間報告時点(6327件)から倍増した。

 日本郵政の長門正貢社長は同日の記者会見で「顧客に迷惑と心配をかけ、深くおわびする」と陳謝。「経営陣の責任も濃淡ある。しかるべきタイミングで申し上げる」と述べた。

 金融庁は月内に、不適切契約に直接的にかかわったかんぽ生命と日本郵便に業務停止処分を発動する方針だ。かんぽ生命の植平光彦、日本郵便の横山邦男の両社長は進退を含めた厳しい責任を問われることが避けられない。長門氏は持ち株会社のトップとして責任が問われている。

 日本郵政グループは、不適切な契約の可能性があると判断した契約者15・6万人(契約数18・3万件)のうち、約8割に法令や社内規定違反があったかどうか聞き取り調査を行った。問題の疑いがある件数は12月上旬の段階で9000件規模とみられたが、「(不適切契約の)対象をある程度広めにした方がよい」(調査委)と判断して精査を進め、さらに膨らんだ。

 1万2836件のうち、裏付け調査が済んだのは2487件にとどまり、このうち法令違反は48件、社内規定違反は622件に上る(いずれも12月15日時点)。調査を進めると、この件数が増える可能性がある。

 第三者の視点から原因究明を進める調査委で、委員長を務める伊藤鉄男弁護士らも18日、記者会見を開き、営業現場の悪質な手口や、問題を軽視した経営陣の対応を厳しく指摘した。

 具体的には、新規の保険契約を獲得するため、保険を乗り換えると保険金が減額されることを隠して「解約が有利だ」と勧誘するなどしていた。新しい保険に加入させながら、半年間や1年間は既存契約を解約できないと虚偽の説明をし、保険金を二重に払わせていたケースもあった。

 調査委は、背景として日本郵政グループの「営業目標(ノルマ)必達主義の風土」を掲げた。不適切契約が疑われる営業社員でも営業成績が良ければ厚遇し、不適切な契約を黙認する風潮が形成されたという。

 かんぽ生命については「問題を矮小(わいしょう)化する組織風土だった」と批判。保険商品の販売窓口となった日本郵便に対しても「重層的な組織構造のなかで、不適切募集の実態が把握できていなかった」と指摘した。

参照:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191218-00050200-yom-bus_all

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