水の中を爆走する映像をよく見ますが、台風の時水没している所を車で移動して良いか?・・・三菱ジープ・トヨタランドクルーザーなど四駆の車両でも危険

台風の時、水没している所を車で移動して良いか?
==>  ダメです(笑)

日産マーチクラスの車両では、秒速1 m(時速3.6km)の流れの中で車内等の空隙に浸水がない状態で水深30 cm強で流されてしまいます。 社内空隙のほぼ半分が浸水している状態でも50 cm強で流されます。 三菱ジープ・トヨタランドクルーザーなど四駆の車両でも、秒速1 mの流れの中で車内等の空隙に浸水がない状態で水深60 cm強で多くが流され、車内のほぼ半分が浸水している状態でも90 cm強で流されます。

Base: 愛車、流されます 洪水時に車内は避難所にならない現実(斎藤秀俊) – 個人 – Yahoo!ニュース – <https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20191026-00148435/>

上記斎藤さんのお話は、ネット情報やデータ・教科書・論文では正しいです。 ですが、現実にそれを信じて行動すると命を失う場合があります。

●体験者から
実際に台風で冠水しているところを車で移動する場合、それをスポーツ・趣味として経験している儂から忠告する。
昔、これら四駆乗りと言われた人種は、ジープや四駆で河に入り色々な体験をしました。 その経験から言うと上記リンクで言われる様な数値を信じたら、どれくらい危険かを以下に述べます。

・現実に冠水走行する場合、走行が可能であっても、水の中を走る設計でない一般車では、後日装置が故障するリスクが高く危険です。 単に故障して動かなくなればまだしも、走行中に問題を起こせば「その後で死ぬ」場合があります。
ブレーキに水が入り込んで、効かなくなった・・・
それはブレーキを踏んでも止まらない・・のでどれくらい恐ろしいかは良く考えて下さい。

・実験によるデータは信頼できるでしょうが、実際の現場では一定の水深ではないし、多用多種なリスクがあります。
従って、あくまで実験データから導き出されるのは理想的(希望的)最大値であって、命に係わることですから状況に応じてその数値を割引いて考えましょう。

上記の2点が大切な事ですが・・・

実際に風が強くて雨が降って、洪水の恐怖があるとき、人は希望的観測や、女子が恐怖におびえた時、ハンドルを握る男子は根性論や力の誇示の為にそれらの限界を無視する傾向があります。 
テレビで見た、河を車で渡る格好良いシーン
それらのスターに自分を重ねて、ポジティブなのは良いですが・・・ 残念ながら映画と異なる結果が待つ事が殆どです。

<大切な事>
家に帰ろう・携帯で連絡を取って今から迎えに行くと言った。 どんな犠牲を払っても、多少故障?のリスクがあってもこの水没した道路を走っていきたい。。。
この様な状況下で必要なのは、冷静である事です。

四駆乗りの経験から必要なのは・・・
目の前に水没した道があって、そこを越えたい場合以下の2つの確認が必須です。

1.目の前の水たまりを歩いて、反対側まで深さ・水面下の路面状況を自分で確認する事。

人間、誰しも濡れたくない。 水の入った靴は気持ちが悪い。
お金を払った車だから信じたい。 ですが・・・
一か所でも論文などで計算される水深を超える場所があれば、機械はそこで正直に止まります。

それは、道にゴミを残すだけでなんらあなたの希望や意向と関係なく、水に火を掛けたら消えるのと同じで車は止まります。

2.流れに逆らう事は不可能

乾燥した路面で、あなたは常に何十・何百馬力と言うパワーをいつも経験的に感じています。 ですが、水中に入って車が浮き上がった状態では、つるされた相撲取りが踏ん張れないのと同じで・・・そのパワーが前に進む事になんら役立たなくなります。 船と違って、水流に逆らって動く設計ではありません。 その場合、風や水の流れで川面を流される木の葉と同じ動きしかできません。

どうしても命懸け・車を失っても水に入る場合は、せめて流れに遡らない・流されながら対岸に辿り着けるイメージで車を進めて下さい。

<鉄則>
・強い人でも鼻と口を塞がれたら・・呼吸ができず動けません。 同じで、何千万円の車でも、排気ガス管にバナナを突っ込まれたら空気の出し入れできずエンジンは機能停止します。

同じで、排気ガス管・マフラーの出口が水没する場合、経験と練習が無い限り、車のエンジンは停止、そこであなたの棺桶となります。

・車は空気抵抗を考えて作られています。 ですが、水の抵抗を考えて設計されていません。 ですので、車高と呼ばれる高さで、車の底面が水に付いた時点で激しい抵抗が生じます。
イメージとしては、鳥は空を飛べますが・・・湖に浮かんだら非常に低速でしか移動できません。 その速度が流れより遅い場合・・・それは前へ前へとバックします。 

・車軸を超える水深に車で突っ込むのは自殺行為。
車の軸を支える部品は油で潤滑されていますが、一般車両はそこが防水構造ではありません。 また、キャビン(客室)が船となってしまう状態では、子どもが大人の自転車をこげないイメージの・・・ タイヤが路面から浮いてしまう状態になります。 この状態では前に進む事もブレーキで止まる事もできません。 流れがあれば、ただ流されるだけです。

ニュース映像などでも、水没しながら走る車がありますが・・・ スピードを上げようと下げようと水中を走った車はお釈迦になると考えて良いです。
ニュースは追跡して後日談をつたえません。

いつも水たまりあっても走ってる?
・タイヤの厚さ ここまではその感覚で良いでしょう。
十分に注意して、できれば慎重にゆっくり走り、深くなったらすぐバックできる勇気を持って下さい。

・排気管の高さ
命懸けなら良いでしょう。 ヒール&トゥ(ブレーキを踏むのはATなら左足に切り替え、排気ガスの圧力が水深に勝てるようエンジン回転数を絶対に落とさない運転ができるとより良いでしょう。

・室内に水が入る高さ
車の底が流れで非常に強い圧力を受けています。
昔の車と異なり現代の車はフレームが無いので、車が歪む現象も出ます。 この場合、水圧のみならずドアが開かなくなるなどあります。 命懸けでこの状況で運転する場合は慎重とは逆に車を捨て石にする覚悟で、自分と幸運を信じて進んで下さい。 なるべくなら、子どもや奥様はその前に降ろして、愚かな行為で死ぬときはひとりで死にましょう。 もし死なないようなら安全地帯まで奥様と子どもを今一度拾いに行きましょう。

***
メルセデス・ベンツ GLE(現行型)やBMW X5(現行型)は500mm。セレブに人気のメルセデス・ベンツ Gクラスで600mm、同Gクラスの特別仕様車「G550 4×4スクエアード」は1000mmです。そしてトヨタのランドクルーザー(現行型)がディスカバリー3と同じ700mmで、レンジローバーは900mmとなっています。

渡河性能だけで見ればランドクルーザーやレンジローバー、G550 4×4スクエアードでもいいわけですが、価格が違いすぎるのです。原稿執筆時点(2017年7月7日)での中古車平均価格で見てみると、ランドクルーザーは543万円、レンジローバーは旧型のヴォーグで442万円、現行モデルは1000万円以上します。Gクラス4×4スクエアードは1台見つかりましたが、3000万円オーバーと素敵なお値段。

Base: 緊急時にも頼もしいランドローバー ディスカバリー3を本体250万円以下で:特選車|日刊カーセンサー – <https://www.carsensor.net/contents/market/category_1491/_62524.html>
https://www.toishi.info/car/suv.html
https://nooice.info/2019/09/16/ランドクルーザー-プラドの渡河性能/

参照:https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2666790483404994&set=a.193322607418473&type=3&theater

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