スマートフォンが発する電磁波の有害性

5Gに限らず、人の手によって作られた機械が発した電磁波少なからず人体に悪影響を及ぼしているのです。

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「スマートフォンが発する電磁波は人体にとって有害である」
似たような言葉を、誰もが一度は聞いたことがあるはず。電磁波が体に及ぼす危険性についてはスマホ以前、いわゆる「ガラケー」時代からも度々指摘されてきた。その頃から、携帯に貼り付けることで電磁波による健康被害を防止するシールなども売られているが、大多数の人は今も昔もあまり気にせず、日々携帯やスマホを便利に利用しているだろう。

未だ決定的な証拠や症例が見つかっていないこともあり、スマホの電磁波が人体に悪影響を及ぼすなどというのは一種の「オカルト」だと考えている読者も多いのではないだろうか。

しかし最近、米国カリフォルニア州の公衆衛生局(以下、CDPH)によって、携帯電話が発する高周波エネルギーと健康リスクについてのガイドラインが発表され、話題を呼んでいる。

■日本の公的機関による見解
まずは日本の公的機関の発表などを見ながら、携帯端末が人体に与える影響について、基本的な部分を押さえていこう。
総務省のサイトには「電波の人体に対する影響」というページが存在する。それによれば、電磁波のうち周波数が3THz(テラヘルツ)以下のものを電波といい、電波法で規定されている、とある。携帯電話から発せられる電磁波も、この「電波」だ。

電波が体に及ぼす影響として次の2つが確認されているという。

1.刺激作用:低周波(100kHz以下)の極めて強い電波を浴びることにより体内に電流が流れ、刺激を感じる。
2.熱作用:高周波(100kHz以上)の極めて強い電波を浴びることで体温が上がる(電子レンジの原理)。

2に関しては、「携帯電話基地局や放送局などから発射される弱い電波を長期間浴びた時の健康影響(非熱作用)については、現在のところ、熱作用による影響以外に根拠を示すことのできる影響は見つかっていません」と補足されている。
とはいえ、少なくとも無線通信に使われている電波が熱作用を及ぼすことははっきりしている。そのため、頭の近くで使う携帯電話端末等は、あらかじめ電波保護指針の基準(局所吸収指針)を守っていることを確認してからでないと販売できないよう定められている。

電波にさらされる度合いを表す物理量として用いられるのが、「比吸収率」(Specific Absorption Rate、以下SAR)。各携帯電話端末から発せられる電波のエネルギーの一部は人体に吸収され熱になるが、定められた基準値である局所SARを超えなければ人体への悪影響はないとされる。
各携帯電話端末のSAR値は、それぞれの通信事業者のサイトから確認できる。

これについて2011年6月28日付けで発表された国立がん研究センターの「携帯電話と発がんについての国立がん研究センターの見解」を読むと、「IARCの調査結果でも通常の携帯電話による通話が悪性脳腫瘍の発生につながるという十分なエビデンスはない」とされており、今後も慎重に調査を進めていくべきだとしている。

20歳未満の子どもが長時間携帯電話で通話した場合の発がんへの影響についてはまだ報告されていないとのことだが、「携帯電話の電波が人体に悪影響を与える」こと自体はオカルトでも何でもないことがよく分かる。
極端に長い時間スマホを頭に当て続けていない限り問題はなさそうだが、それでも携帯電話の電波は人体にとってあまり歓迎すべきものではないということが分かってきた。だが、今後一切スマホや携帯を利用しないというのも現実的ではない。

ここで、冒頭で取り上げたCDPHによるガイドラインを紹介したい。
2017年12月13日(現地時間)に発表された同ガイドライン内でCDPH局長のカレン・スミス博士は、専門家の間でも結論は出ていないものの、携帯電話を長期間かつ頻繁に使用することで健康に悪影響が及ぶ可能性があると言及している。
その事実を踏まえ、「携帯電話から発せられる高周波エネルギーの影響を減らしたい個人や家族のため」に公表されたガイドラインには、携帯電話が発する電波による影響を減らすための方法が、かなり具体的に述べられている。

まとめて紹介しよう。

・携帯電話をできるだけ体から離す。数フィート離すだけでも効果的。
・通話の際は携帯電話を頭に近づけことを避け、スピーカーフォンやヘッドセットを利用する。
・通話を避け、テキストメッセージで代用する。
・音楽や動画のストリーミング、大きなファイルのダウンロードや送信を行なう際は、携帯電話を頭や体から離す。
・携帯電話はポケットではなく鞄に仕舞う。使用しない際は機内モードに設定する。
・高速移動する車やバス、電車に乗っている時は高周波エネルギーが多く発生している(ため、使用を避ける)。
・夜寝るとき、枕元に電源の入った携帯電話を置かない。機内モードにするか、べッドから数フィート以上離れた場所に置くこと。
・ヘッドセットも微弱なエネルギーを放出しているため、利用しない時は外す。
・放射線や電磁波を遮る、という謳い文句の製品はかえって高周波エネルギーを増加させる可能性があるため、利用を避ける。

また国立がん研究センターの見解でも指摘されていたように、子どもの脳は成人の脳より広範囲に渡って高周波エネルギーの影響を受けてしまう点にも触れられている。

スミス博士は、保護者がきちんと子どもの携帯電話の利用時間を管理し(減らし)、夜の間は端末の電源を切るよう指導することを推奨している。

今や私たちの生活に欠かせない存在になったスマートフォン。「直ちに健康に影響はない」とはいえ、健康を考えると節度を持ったお付き合いをするに越したことはなさそうだ。あ
スマホと蜜月の日々を送っている方も、試しに今夜から眠る前、スマホを頭の真横に置くことをやめてみてはいかがだろうか。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=359279

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