植物が500倍のスピードで絶滅しつつある

現在様々な生物、昆虫、両生類、哺乳類、鳥類、魚類も何もかもが、かつてない速度で絶滅している。
しかしその中で絶滅スピードが最も速いのが植物である。「in deep」より要約抜粋リンク

英国テレグラフの報道によれば、「植物は、動物や両生類などの2倍の速さで絶滅している」という。
また科学誌「ネイチャー エコロジー&エボリューション 」に発表された新しい研究によれば、今、地球は「植物を生かせておくことができない病」に苦しんでいる。世界中の 33万種を超える種子を持つ植物の個体数を分析した後、研究者たちは、西暦 1900年以来、地球上で、毎年約 3種類の植物が絶滅し続けていることを発見した。
この絶滅の率は、自然に植物が絶滅するとされる率より 500倍高い。ここには、ほとんどの木や花、そして果実をつける植物が含まれている。
当然のことながら、この非常に高い絶滅率には、人間活動が大きく関与している。

このことが深刻なのは、過去の生物の大量絶滅では、まず先んじて植物が絶滅しているという事実があるからだ・

例えば近年の研究によれば地球史上最大の絶滅と言われる、古生代後期のペルム紀末、P-T境界(約2億5100万年前)では、海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅しているが、まず植物から絶滅している。
約 2億2500万年前、地球では、パンゲアと呼ばれる超大陸が激しく大地の分裂を起こしていた。地球内部からはスーパープルームが上昇し、世界各地の火山活動が活発となり、現代のシベリアにある火山群が次々と噴火し始めていた。

その中で、多くの火山の噴火は、約 200万年間ものあいだ、地球上の大気に炭素とメタンを吹き込み、これらの噴火により、海洋生物の約 96パーセントが絶滅し、陸上の脊椎動物の 70パーセントが姿を消した。これは地球の歴史上で最大の大量絶滅だった。

しかし、新しい研究によれば、噴火の副産物である「ニッケル」が、およそ 40万年前にオーストラリアの植物を絶滅させたとしている。
研究者たちは、化石化した花粉、岩石の化学的組成と年代、そしてオーストラリア南東部の崖の底から採取した堆積物の層を研究することによって、今回の結論に達した。
研究者たちは、オーストラリアのシドニー盆地の泥岩の中で、驚くほど高濃度のニッケルを発見した。
トレイシー・フランク(Tracy Frank)氏は、この調査結果はシベリアのニッケル鉱床を通じた溶岩の噴火を示していると述べる。その火山活動がニッケルをエアロゾルに変え、そこから、地球上の植物の生命の大部分がニッケルに毒されるほど南に何千マイルも大気中を流れた可能性がある。ニッケルの同様の急増は、世界の他の地域でも記録された。

動物や昆虫の生態系は植物の存在を前提に成り立っている。我々は今、6回目の大量絶滅の過程に入ったのかもしれない。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=353150

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