【すべての病気は感染性】心臓病やガンなどを含む、非感染性とされてきた多くの病気は「体内微生物による感染性疾患」である可能性

「indeep」さんからの抜粋・引用です リンク

◆科学誌サイエンスに発表された最新の論文の内容

『肥満や心臓病、糖尿病は感染性疾患である可能性がある』

これは、カナダの CIFAR (シファー)という科学組織の研究者たちによる論文で、最初は「思考実験」として始まった、ある「疑念」を、証拠を積み上げることにより主張として発表したものでした。それはどんな概念かと言いますと、

「これまで感染する病気ではないとされてきた多くの病気が、実際には感染性疾患ではないのだろうか」

とするものなのです。これだけ書くと、何かウイルスか何かのような病原体というようなものを連想するかもしれないですが、そうではなく、「腸内細菌環境を含む体内の微生物叢の状態の感染により病気が起こる可能性」を示したものです。

「病気もか…」

という思いがありましたね。ちなみに、CIFAR という組織は基本的には慈善団体であり、ウェブサイトによれば、CIFAR の研究員コミュニティには、20人のノーベル賞受賞者と 22か国からの 400人以上の研究者たちが含まれている。ということで、カナダ最高峰の科学慈善団体となっています。

この「多くの病気が感染性である」ということについては、現段階では「示唆」であるに過ぎないですが、最近調べるほどに「体内微生物(細菌など)」が、あまりにも人間のすべてにおいて影響を与えていることを知る中で、「病気や症状もそうかもしれない」とは思うこともありまして、非常にタイムリーにこの記事を知ることができました。

記事をご紹介したいと思います。

●肥満や心臓病、糖尿病は感染性疾患である可能性がある

CIFAR の「ヒト&マイクロバイオーム・プログラム」の研究者たちが科学誌サイエンスに発表した論文は、これまで「非感染性」と考えられてきた病気が、マイクロバイオーム(体内微生物叢)を通じてヒトからヒトへと感染している可能性があるという主張を発表した。

心臓病、ガン、肺疾患などの非感染性疾患は現在、最も一般的な死因であり、世界中の死亡者の 70%を占めている。これらの疾患は、遺伝的要因、ライフスタイル、環境要因の組み合わせによって引き起こされると考えられており、人と人の間で感染することがないとされるため、非感染性疾患と見なされている。

しかし、CIFAR の「ヒト&マイクロバイオーム(Humans&the Microbiome)プログラム」の研究チームによる新しい研究論文は、多くの病気は、私たち人間の体内で生きている微生物(細菌、真菌、ウイルスを含む)を介して人々の間で伝染している可能性があるという証拠を提供することにより、長年の疑念に新しい主張を投げかけた。

論文の主筆者で、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の微生物学教授であり、CIFAR の研究員でもあるB・ブレット・フィンレイ(B. Brett Finlay)氏は、以下のように述べる。「今回の私たちの仮説が正しいことが証明された場合、公衆衛生に関するこれまでの知識が大幅に書き換えられることになります」

●点と点をつなぐ作業の中で浮かび上がること

フィンレイ氏は、3つの異なる証拠の間の関係に基づいて仮説を立てている。まず、肥満や炎症性腸疾患から 2型糖尿病や心血管疾患まで、それらのようなさまざまな病気や症状の状態の人たちは、体内の微生物叢が健康な人と比較して「変化」しているということはすでに実証されている。

次に、病気にかかった人々から採取された「変化した微生物叢」を健康な動物モデルに挿入すると、病気を引き起こすこともまた実際に示されている。

最後に、彼らは微生物叢が自然に伝染する証拠を提供する。例えば、同じ家に住む配偶者同士は、別々の家に暮らしている双子よりも類似した微生物叢を持っていることがわかっている。これらを踏まえて、フィンレイ氏は以下のように述べる。

「これらの事実をまとめると、これまで伝統的に非感染性とされてきた多くの病気は、結局、感染性であるかもしれないということを示すのです」

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=353002

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