日本では数百万人が服用している、あまりにも一般的な処方薬であるベンゾジアゼピン系の薬が、アメリカで殺人ドラッグになり始めている

少なくとも現在、数百万人の日本人がベンゾジアゼピン系の薬を服用している。「indeep」より リンク

■それは日本人でもありふれた処方薬
このブログでは、たまにベンゾジアゼピン系の抗不安剤についてのことを書かせていただくことがありますが、今日のニュースの見出しで、「米ラッパー、ジュース・ワールドさん死去 21歳」(AFP 2019/12/09)というものがありました。

ジュース・ワールドさんという人は、まったく知らない人ですが、報道の中に以下の文面がありました。ワールドさんは2018年、米紙ニューヨーク・タイムズに対し、10代にザナックス(Xanax)を大量に摂取したが、今は薬物の使用を抑えることを目指していると話していた。

「ザナックス? なんだろ」と調べて、すぐにやや戦慄しました。

このザナックスというのは、日本でも心療内科や普通の内科などでも非常に幅広く処方されている「ソラナックス」と同じものだったのです。ソラナックスは商品名で、その薬名はアルプラゾラムといい、Wikipedia には以下のようにあります。

■アルプラゾラム – Wikipedia
アルプラゾラムは、ベンゾジアゼピン系の短期間作用型抗不安薬および筋弛緩薬の一種。半減期は約14時間。日本では商品名ソラナックス、コンスタンで知られ、後発医薬品も多数出ており、適応は、心身症における身体症状と不安・緊張・抑うつ・睡眠障害である。

連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬である。日本では、少なくとも 500万人以上の人たちが、ベンゾジアゼピン系を処方されていて、その多くは「依存」に陥っていると思われるわけです。

周囲は「病院からの処方薬なら安全なもの」と思われるかもしれないですが、先ほどのアメリカのベンゾジアゼピン系での死亡数を見ると、下手な違法薬物より危険である側面が見えるのです。

なお、ご紹介する記事では、ザナックス(日本名ソラナックス)を挙げていますが、基本的には、すべてのベンゾジアゼピン系の抗不安剤と睡眠薬は同じだと思われます。

■あなたの愛する人がザナックスに溺れていないかどうかを知る5つの徴候

ザナックスは、不安障害やパニック障害の治療に処方されるベンゾジアゼピン系の中枢神経系抑制薬の一種だ。ザナックスは、処方通りに服用した場合でも、ベンゾジアゼピンに対する耐性がすぐに生じるため、中毒になる可能性が高い。

依存症となるリスクが高まるため、必要なときに治療を求め、依存症を回避できるように、ザナックス依存症の兆候を知ることが重要だ。ザナックス中毒の兆候としては、次のものが考えられる。

・身体症状
・心理的症状
・ザナックスへの執着
・ポリドラッグの使用(2つ以上の向精神薬を組み合わせて使用すること)
・人的損失

■ザナックス濫用の物理的な兆候
ザナックス濫用の身体的兆候は、薬物を濫用していることを示す最も重要な指標である可能性がある。ザナックスの濫用の物理的な兆候としては、次のものがある。

・眠気
・不明瞭な話し方
・頭痛
・めまい
・口渇
・吐き気
・ふらつき
・唾液分泌の増加
・性欲減退
・便秘
・他人との協調ができない

ザナックスに依存している人が、突然この薬の服用をやめてはいけない。それをすると、重度で不快な離脱症状につながる可能性がある。ザナックス離脱の症状には、筋肉痛やこわばり、心臓のリズムの変化、震えなどがある。

■ザナックス濫用の心理的兆候
ザナックスのようなベンゾジアゼピン系の薬は、誤用されるとさまざまな心理的症状を引き起こす可能性がある。

■ザナックスの乱用とザナックス中毒には明確な違いがある。
特定の時間、または特定の機会にザナックスを乱用する人は、いつでも使用を停止できる可能性が高い。しかし、ザナックスへの依存症を持つ人々は、薬物から得られる精神状態を維持するために、薬物を継続して摂取する衝動を制御することができなくなる。

ザナックス中毒の人は、正常に機能するために薬が必要になる。また、ザナックスなしでは日常生活を過ごすことができないと思い込んでしまう可能性もある。

■ザナックスへの中毒での他の心理的効果には以下が含まれる。
・混乱する
・突然イライラする
・饒舌になる
・双極性障害的な状態
・物事を覚えるのに苦労する
・長時間の注意が必要なタスクの回避

ザナックスは中枢神経系の脳機能を低下させることで機能するため、推奨用量を超えて服用している人は、以前よりも不活発で無関心になる可能性がある。

■ザナックスへの執着
ザナックスに対して身体的に依存している人は、ザナックスに夢中になり、より多くのザナックスを摂取し、その摂取量を増やしていきやすい。この強迫観念が中毒に先行する傾向がある。

ザナックスを含むベンゾジアゼピン系の薬物は、今日のアメリカで最も処方されている抗不安剤・抗うつ剤のひとつでもある。ザナックスに依存するようになると、自傷の可能性があるにもかかわらず、薬物を使い続ける衝動を制御できなくなる。

■ザナックス中毒の治療
自分だけでザナックスの使用をやめる試みは推奨されない。ベンゾジアゼピン系の習慣を形成する性質と、重度の禁断症状により、デトックスのプロセス中にむしろザナックスに対する渇望が圧倒的に強くなる可能性がある。

ザナックス中毒の治療を受け、個人の最高のケアと安全を確保するためには、入院治療施設で行うのが最善だ。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=351802

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