【薬漬けになりたくない 向精神薬を飲む子ども】発達障害と診断され、向精神薬を投与されていく子どもたち。 それがどういうことなのか、理解できていればこんなことできるはずがありません。

2012年に放映された番組です。

発達障害と診断され、向精神薬を投与されていく子どもたち。

それがどういうことなのか、理解できていればできるはずがありません。

Kimiko Suehisaさんのコメントも一緒にシェアさせて頂きますね。

薬漬けになりたくない  向精神薬を飲む子ども

 この映像は、2012年の6月、NHKの「クローズアップ現代」で放送されたものです。
 当時、私は「精神科早期介入の問題を考える会」に関わり(その成果が最初の本『ルポ 精神医療につながれる子どもたち』になりました)、NHKからの要請で、この番組制作に会として協力をしました。(大勢の方がテーブルをロの字に囲んでいる場面は、「精神科早期介入を考える会」の会合の場面です。司会をしているのが私です)。

 もちろん、番組ができるまでには山あり谷あり。担当の井上さんも苦労されたと思います。
 クローズアップ現代は生放送でしたから、始まる午後7時30分直前まで、現場では編集に追われていたようです。

 というのも、ツイッターで宮田雄吾児童精神科医が反論を繰り返したからです。
 宮田先生は、私も以前このブログで取り上げましたが、子ども相手に精神疾患を教える「絵本」を作ったことで有名な人です。『そらみみがきこえたひ』(統合失調症)、『あさ、おきられないニワトリ』(うつ病)、『さかながこわいクジラ』(社交不安障害)・・・といった絵本を作りました。

 彼の圧力により、番組のタイトルが変更になりました。『子どもに広がる向精神薬の被害」から上記のものになったわけです(それでも、NHKとしては頑張った感はあります)。

 内容はご覧いただくとして、当時、私にはこれでもなんとなく「物足りない」感じはしました。
 なので、その後もNHKはこの傾向の番組を作り続けていくものと思っていましたが、あれから5年。その間に、何人かのNHKの方にお会いし、さまざまな情報をお伝えしましたが、残念ながら番組になることはありませんでした。
 その意味で、この番組はNHKにおける数少ない(唯一の?)「精神医療を真正面から扱った番組」になっていると思います。

 じつは、この番組について話を蒸し返したのは、著書である『発達障害の薬物療法を考える』にかぶる部分がたくさんあり、さらに、つい最近も、NHKの記者さんら話をうかがいたいとお声がかかったからです。精神医療関連の番組を考えているとのことでした。
 そして、NHKの記者さんは、9月28日に開く私の「出版記念講演会」にも参加してくださるようですので、さまざまな情報をお伝えして、番組制作のための協力ができればこんなにうれしいことはありません。

 上記の番組から5年という歳月が流れました。
 しかし、状況はよくなっているようには思えません。精神医療につながれる子どもの数はかなりの数にのぼっているはずです。
 なんといっても、「つなげる」ための連携が叫ばれているのですから。

 学校から医療へ・・・この流れは、もはや「当然」のことと、教師も医療関係者も、また保護者も、世間も受け止めているようです。
 先日、横浜のNPO法人「フリースペースたんぽぽ」というところでお話をさせていただきましたが、こうした傾向は現場を知る人たちからの話によっても、すでに私の想像以上に進んでいることがわかりました。
 何とかこれを止められないものか・・・。

 薬物療法についての情報が少なすぎるのもあると感じます。出ている情報は「薬物療法を全面肯定」するものばかり(コンサータの有効率が80~90%? ありえないですよ、このような数字は。製薬会社のMRの言葉を鵜呑みにしてか、販売戦略にはまったのか)。

 ともかく、アメリカの大規模な研究やコクランライブリーといった専門機関のメチルフェニデートに関する見解を紹介することは、必要であると思います。
 それは薬を否定するとか肯定するとかの次元の話ではなく、まして「反精神医療」だなんだの低次元の話でもありません。 

 そうした世間の風圧に負けることなく・・・NHKに期待しています。

参照:https://www.facebook.com/y.kai1/posts/2671913169520241

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