史上最強の耐性真菌カンジダ・アウリスが世界中に拡大。しかも、この真菌は地球で同時多発的に「突如」現れた奇妙な存在

耐性菌による脅威。河川の汚染をはじめ、耐性菌を生み出す環境が世界中に拡散している可能性が高い。そのことを物語るのが表題の記事。以下、リンク より抜粋、引用させていただく。

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4月6日、アメリカのニューヨーク・タイムズが、「史上最強の耐性菌」の現状を特集しました。
(中略)
◆カンジダ・アウリスの特徴
 ・日本で最初に症例が発見(日本が発現地のひとつである可能性)
 ・しかし、この真菌の遺伝子を調べると、最初のひとつの発生地が特定できない(同時多発的に複数のゲノム配列のこの真菌が発生している)
 ・あっという間に世界中に拡大している
 ・感染した人の約半数が90日以内に死亡
 ・ほとんどの病院が「対応手段を持たない」現状

(中略)

アメリカ疾病管理予防センターの真菌部局の代表であるトム・チラー博士 (Dr. Tom Chiller)は、この真菌カンジダ・アウリスについて以下のように述べる。
「これは、悪魔の沼から出現した生き物のようなものです。そして、それは世界中に拡大し、今では、至る所に存在しているのです」
過去 5年間だけで、カンジダ・アウリスは、スペインの病院に出現し、次にベネズエラの新生児施設を襲い、インドとパキスタン、南アフリカにも拡大していった。

(中略)

アメリカ疾病管理予防センターの真菌の研究者たちは、カンジダ・アウリスの発生はアジアで始まり、そこから世界中に広がったと理論づけた。
ところが、疾病管理予防センターが、インドとパキスタン、ベネズエラ、南アフリカ、そして、日本からのカンジダ・アウリスのサンプルの全ゲノムを比較した時に、「その起源が単一の場所ではなく、単一のカンジダ・アウリス株も存在しない」ことを発見したのだ。

カンジダ・アウリスのゲノム配列からは、この真菌には 4つのそれぞれ独自の種別があることを示していた。
それらの株が何千年も前に分岐し、同時に 4つの異なる場所で無害な環境株から耐性病原体として出現したことを示唆している。

アメリカ疾病管理予防センターの真菌の専門家であるスニッダ・バラバネン博士 (Dr. Snigdha Vallabhaneni)は、以下のように言う。

「どういうわけなのか、これらは、それぞれがほぼ同時に出現し、そして世界中に拡散しているようなのです。本当に私たちを困惑させている薬剤耐性菌です」

カンジダ・アウリスが、突然のように世界中に拡大している理由については様々な主張があるが、オランダの微生物学者ジャケス・メイス博士(Dr. Jacques Meis)は、農作物への殺菌剤の乱用が薬剤耐性菌の増加を促していると考えている。

(中略)

事態を公表しない態度

カンジダ・アウリスは拡大していたが、真実は公表されなかった。

このブロンプトン王立病院は、中東やヨーロッパ各地から裕福な患者を集める肺と心臓に関しての特別な医療センターであり、病院側は、イギリス政府には注意を促し、感染した患者たちにもそのことを告げたが、公的には何も公表しなかった。
病院のスポークスマンであるオリバー・ウィルキンソン(Oliver Wilkinson)氏は、「感染が発生している状況では公表する必要はないと判断しました」と述べている。

このブロンプトン王立病院で発生したパニックは急増しており、世界中の病院で起きている。
個々の機関や国、州、地方自治体は、耐性菌感染症の発生を公表することに消極的であり、患者を怖がらせることには意味がないと主張している。

(中略)

コネチカット州の疫学者リン・ソーサ博士 (Dr. Lynn Sosa)によると、カンジダ・アウリスは現在、州の住民に起き得る感染症の中で「最大の脅威」となっているという。ソーサ博士は以下のように言う。「この真菌に打ち勝つことは非常に難しく、識別も困難です」

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=347245

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