『低胃酸を改善する方法』低胃酸は栄養不足を招きます。低胃酸の多い日本人にとって胃酸は重要な課題

『低胃酸を改善する方法』 (まとめ)

低胃酸は栄養不足を招きます。低胃酸の多い日本人にとって胃酸は重要な課題です。

マスコミや胃薬のコマーシャルなどで、ここ日本ではどうしても胃酸=悪玉というレッテルが貼られています。ストレスなどによる胃酸過多と、食事時に必要な胃酸は別で考える必要があります。

必要のない時に胃酸が分泌されてしまう、いわゆる胃酸過多があるから、食事に必要な胃酸も足りているだろう、とは決してならないのです。また、胃薬などの制酸剤の常用は低胃酸を招きます。

 

胃酸の役割として、

①バイ菌やウイルスを倒す殺菌効果がある
②直接タンパク質の消化にも関わる
③タンパク質の分解酵素ペプシンを活性化し間接的に消化に働く
④ミネラルを吸収しやすいイオン化(水溶性)の状態にする
⑤ビタミンB12の吸収に必要な「内因子」を活性化する
⑥胆汁と消化酵素の分泌を刺激する
⑦食道と胃の境目の筋肉「下部食道括約筋」を閉じる
⑧十二指腸や小腸に続く「幽門括約筋」を開く

というような働きがあります。

つまり、胃酸分泌が少ないと、風邪や他感染症にかかりやすくなる、代謝が上手くいかず疲れやすくなる、ミネラル欠乏症状が起きる、色黒になる、イライラやキレやすくなる、うつ症状になる、貧血になる、リーキーガット症候群(LGS)になる、未消化物によって炎症を惹起する、タンパク質食品の極端な回避、甘い物依存、などあらゆる症状に悩まされます。

 

では、胃酸を改善する方法について考えてみましょう。

まず、早食いをやめることです。ゆっくり楽しく食事と向き合い、よく噛んで食べることは副交感神経やセロトニンを刺激し、胃酸や消化酵素の分泌そして胃腸の蠕動運動などをいっそう促進させます。しかし、早食いや楽しくない食事は、交感神経を刺激してしまい、体液の分泌が阻害されてしまうのです。

次に、きちんとタンパク質食品を食べることです。しかし、これには矛盾を感じるかもしれません。なぜなら、低胃酸ではタンパク質食品をうまく消化できないからです。これは、体力のない人がゆるやかなトレーニングを続け、徐々に強化して体力をつけていくことと同じイメージだと思ってください。タンパク質食品をきちんと食べることは胃酸分泌を誘導します(Vopr Pitan. 1982 Jan-Feb;(1):36-8)。

食前にパセリ、ペパーミント、生姜汁、酢の物、アップルサイダービネガー、梅干し、レモン水、ほか苦渋成分の入ったハーブなどを食べると、胃酸分泌が刺激されます。これらは特におすすめしています。

また、お母さん(奥さん)の台所での、包丁とまな板の音、調理の香り、出来上がった料理を見る、などの行為は、唾液や胃酸の分泌を刺激します。

どうしても胃酸が少なく、緊急的にタンパク質を補給したいのであれば、プロテイン(またはアミノ酸)・パウダーをお勧めします。ただし、(腸内フローラを崩壊させる)食品添加物や人工甘味料の入っていない、できるだけ良質なプロテイン商品を選んでください。これらはさほど胃酸に依存せずに、効率的な消化と吸収、代謝が期待できます。

人によっては、食事時にベタイン塩酸塩&ペプシンのサプリメントの補給をお勧めすることもあります。

 

最後に、低胃酸のいくつかの原因も必ず考えてみてください。

・抗生物質
・プロトンポンプ阻害薬
・ピロリ菌感染
・SIBO(小腸内細菌異常増殖症)
・ストレス過多
・早食い(よく噛まない)
・単純にタンパク質食品の長期的回避
・高齢
・食物過敏症
・ビタミンB群(特にナイアシン)不足
など。

低胃酸はあらゆる症状を誘発する引き金となります。コツコツと日々の食事や生活の中で改善していきましょう。
 

※逆流性食道炎を患っている人は上記以外の別の対応が必要です。

参照:https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1097344840445883&set=a.122416054605438&type=3&theater

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