全世界で異常気象により崩壊していく農業生産。全世界を巻き込む食糧危機と飢餓のカオスが2021年頃から到来す

リンクより抜粋

◆なぜ飢餓の懸念か
世界各地の食糧生産の状況を、いくつかの報道からご紹介しますが、それらの全体を見ますと、世界的な食糧危機が確かに迫ってきていると思わせるものはあります。今回は、各国や地域の状況をお伝えします。

ご紹介させていだくのは、公式な数値が出されている国と地域だけのものです。

●アメリカは干ばつと洪水

地球の衛星画像や気候や環境に関するデータを提供している NASA の最近の記事では、米国農務省や国立海洋大気管理局などによっての土壌の測定による現在のアメリカの「干ばつ状況」を示したマップを載せていました。リンクがそのマップです。

この記事のタイトルは、「アメリカの 3分の1が干ばつ」とあり、これ自体も歴史的にかなり深刻なものなのですが、NASA の人工衛星が測定した「アメリカ全体の表面土壌の水分レベル」のマップを見ますと、さらに深刻な状況が進行していることがわかります。

リンク人口衛星GRACEが測定した8月10日のアメリカの土壌の水分レベル

農業に適さない山間部を除けば、「アメリカ中部から西部の平野部のほとんどが干ばつ状態」であることがわかります。上のマップの下には色分けとともに「数字」がありますが、これは NASA によれば、このような干ばつが起きる確率の数字です。つまり、最も濃い赤にある「 2 」というのは、このようなことが起きる確率は「 2%」であることを示します。

この 2%というのは、「 50年に1度しか起きない規模の干ばつ」を示していまして、そのような極端な干ばつの地域が、これだけ広がっているということがわかります。マップで最も土壌に水分が豊富なのは、ネブラスカ州、アイオワ州、ミズーリ州あたりとなっていますが、このあたりは西部とは逆に「繰り返される歴史的な洪水」に苦しめられています。

●ヨーロッパでは大雨と洪水で小麦が不作

リンクの記事は、イギリスの小麦の収穫が過去数十年で最悪のレベルに落ち込んでいることを報じたものです。この原因もまた、アメリカとも似ていて、「極端な大雨の後に、極端な干ばつがやってきた」ことによります。報道には以下のようにあります。

●英国の小麦の極端な不作を伝える報道より

英国農業界は、40年ぶりの英国で最悪の小麦収穫が、今後、小麦粉やパンの価格高騰を引き起こすと予測している。昨年の秋の大雨のため、小麦は通常量の 40%しか植えられなかったが、今年の干ばつは収穫される作物の品質にも影響を与えている。全英農業組合は、昨年秋に続いた大雨のために、小麦は通常の量の 40パーセントしか植え付けできなかったと述べる。その上、今年の初めからは干ばつが続き、現在収穫されている小麦の品質に影響を与えており、生産者たちは厳しい局面にある。農業関係者は、食糧のサプライチェーンについて、国産の高品質の小麦が不足しているため、イギリスは世界の他の地域から小麦を輸入しなければならない可能性があると述べている。 (watchers.news)

◆輸出大国が輸入国へ

イギリスは今後、「小麦を輸入する」ということになる可能性が出てきているのですが、同じような状況に昨年からなっているのがオーストラリアで、もともと小麦の大生産国であったオーストラリアは、2019年から、干ばつにより「小麦の輸入国」となっています。今後も、オーストラリアが小麦の輸入国であり続ける可能性は高いようです。

なお、ここではイギリスを挙げましたが、「ヨーロッパ全域」が、同じような状態となりつつあるようです。

●南米では干ばつだけではなく極端な寒波が襲来

他には、農作物の大きな輸出国として、ロシアやアルゼンチンやブラジルなどがありますが、ブラジルもまた、過去にない干ばつに見舞われていることが報じられているのですが、ブラジルでは干ばつだけではなく、「複雑な問題」が起きており、たとえば現在、「極端な寒波にも見舞われている」のです。

パタゴニアでは、10万頭以上の飼育されている羊や牛が死亡しており、アルゼンチン・リオネグロ州の農産当局は、「今のままだと、州全体の 70%の動物が死亡する」と述べています。そして、ここに追い打ちをかけるような予測が出されていまして、南極からの冷たい大気が南米全域を襲うとブラジルの気象局が発表したのです。

8月20日頃からしばらくの間、南米のアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ボリビア、ウルグアイ、ペルー、エクアドル、コロンビア、ベネズエラなどに、「歴史的な記録となる可能性のある寒波」がやってくると発表しました。

これが今後も続くのかどうかはわからないですが、南米も農業的には厳しい地域が多くなっていることが予測されます。このように、それぞれの国や地域を見ていきますと、現時点ですでに「グローバルな食糧供給」が少しずつ崩壊しかけていることがわかります。

◆コントロール不能の気象異常は全世界規模に

現在のシステムが急速に壊れることはないにしても、たとえば日本にしても今年あるいは今後の農業生産の行方は不安定なはずで、アジアを含めて世界全域で、サプライチェーンの崩壊による食糧危機を超えた、「食糧そのものが少しずつ枯渇していく」という事態も出てくる可能性がないとは言えないかもしれません。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=359845

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