Textbook Dogma・・・硬い文章で印字された教科書や文献を無条件に信じ込む。人は「真実の追求」という姿勢を忘れ、いつのまにか「自己の正当化」に走る

「糖尿病の原因がインスリン欠乏ではなくグルカゴンの暴走だった」のあの著者は、このパラダイムシフトまでに時間がかかり遅くなったのは、まさに”Textbook Dogma”も関係しているということも書いていました。

“Textbook Dogma”とは、誰もが信じて疑わない「教理」のことを言います。私たちは、つい硬い文章で印字された教科書や文献を読んでしまうと、それが正しいという前提の上で物事を考えたり、議論を重ねてしまうものです。

さらに、問題は「真実の追求」という姿勢を忘れ、いつのまにか「自己の正当化」に走ってしまっている人が多いことです。

そもそも、科学によって、この複雑な自然事象や生体を具象化したり証明したりすることは非常に困難なことであり、見方によって解釈も様々なため、仮にもっともらしい理論が組み立てられても、それはいつも「現時点での話」であり、れっきとした因果関係とは言えないことが多いのです。

つまり、情報はつねに更新されることが前提なのです。しかし、中には、公の場で言いきってしまったがためか、今さら自分の理論とは異なる新しい情報や正反対の理論に、到底受け入れられず、頑なに拒否する人も多いわけです。

こういう人は、真実の追求よりも、保身を優先するため、都合の良い情報や勝手な解釈を持ち出して、絶対的に自分の考えを曲げません。まさに老害的な思考停止状態です。

人間である以上、完璧な人はいません。恥をかくことも必ずあります。でも、その壁を乗り越えることができる人は純粋であり、つねに自身の成長を願う人です。

例えば「糖質制限の最大の問題は、糖質制限という食事体系そのものより、糖質制限を推奨している人たちにある。」私は以前からこのように公言してきました。

真に人の健康を願うのなら、例えば、なぜ上手くいく人と、いかない人がいるのだろうか、なぜ短期的な効果とはよそに、長期的なデメリットが出てくるのだろうか。なぜ脱落してしまう人が多いのだろうか、など追究していく姿勢があるはずです。

しかし、思わしくない結果があれば「やり方が悪い」など責任の一端を患者やクライアントに押し付ける、まさに勝手な自己都合と自己正当化でしかありません。

一度「糖質が全ての原因だ」というドグマにかかってしまうと、すべてその視点でしか物事を見れず、本質的なことからどんどん遠ざかる一方なのです。それが医療関係者になると尚更タチが悪い。

話を戻しますが、いまだ本当のことは何にもわかってはいないですが、ヒントになるものは沢山出てきています。だからこそ、固執せず、いつも柔軟に俯瞰的に物事を考えられるようにならなければと思います。俯瞰的に物事を見るというのはポリシーとかではなくて、追求するほど結果的にそうなってしまうものです。

参照:https://www.facebook.com/nobunaga.yoshitomi/posts/1228223027358063

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