【保険制度の闇】治せる歯も治せない。歯科業界:日本の保険医制度では、免許の更新や研修の義務が一切ありません。そのため、卒業時の知識や技術のままで診療している歯科医師が少なくない。

虫歯になってもらわないと歯医者はもうかりません。

日本人は保険制度賛成の人が大多数であり、その保険制度に従事した歯科治療ではまともな処置はできない。

日本の歯科治療はダブルスタンダードであり、先進国でありながら、こと歯科医療に関しては質が非常に低いのです。これは大学病院であっても同じ。そもそも大学病院は研修病院であって、最先端の治療を行う場所ではありません。
日本の歯科治療がダブルスタンダードである根本原因は、日本の保険医療制度にあります。日本の歯科大学や歯学部で受ける6年間の教育内容は、「保険医」育成のための教育であり、歯科の最先端の治療技術を学ぶものではありません。
日本で保険の歯科医師になると、保険で定められたルールでの歯科診療を行うように要請されます。日本の保険医制度では、免許の更新や研修の義務が一切ありません。そのため、卒業時の知識や技術のままで診療している歯科医師が少なくありません。
そういった歯科医師の臨床に沿うような形で、保険制度は改定を繰り返してきました。その結果、世界の最先端の歯科治療技術とは、非常にかけ離れた診療ルールになってしまっているのです。そしてまた、これほどまでに世界とかけ離れてしまった日本の保険診療の現場からすれば、今さら最先端の歯科治療技術なんて、実践しようもありません。
そのために、本来なら治せる歯が治せず、抜歯しなくて済む歯が抜歯され、不必要な治療が過剰に行われる状態となっています。そしてまた、保険診療は出来高制ですから、治療を繰り返せば繰り返すほど、治療費を稼ぐことができる状態となっています。治療の質は一切問われないことも、歯科治療の劣化に拍車をかけています。
もちろん日本にだって、世界を見て、最先端の歯科治療技術を身につけ、実践している歯科医師もいます。しかしながら、そういう歯科医師は日本では極めて少数派です。というのも、日本では保険診療に対する信頼が非常に強く、最先端の(保険外の)診療が正当に評価されていないからです。
このため、保険外の診療を専門に行うウチのような歯科医院は極めて少数派であり、広がっていく目途も立っていません。そのため、若い歯科医師が最先端の高度な歯科治療技術を身につけようというモチベーションも得られません。こうして、日本の歯科医療は衰退の一途をたどっているのです。残念ながら、これが現実です。
ちなみに私事ですが、先週末の土日に、新しいダイレクトボンディング(審美修復歯科治療の一つ)のハンズオンセミナーを受けてきました。そこで現在の世界的な審美修復治療の流れの一端を知ることができました。セミナーは満員でしたが、そうやって高い意識をもって先進医療を学ぼうとしている歯科医師は、全国的にみて極めて一握りでしかありません。
日本でも高度な治療技術を持つ歯科医師が、それに見合った正当な評価を受けることができるようになるような社会にしなければと思いました。

https://www.facebook.com/shukaku.nagao/posts/1470602129684353

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