4本足のクジラが陸と海の両方で暮らしていた。

今を生きるクジラは海の中で暮らしているが、その祖先は4本足を持つ哺乳類だったという。

約5000万年前を生きたクジラは、今よりも小型で、その足を使いながら陸と海の両方で暮らしていたようだ。

これまでインドやパキスタンで4本足のクジラの祖先の化石は発見されていたが、南米ペルーでも、同様の化石が発見された。

世界規模で4本足のクジラは生息していたようである。

哺乳類樹上ではなく海にいった哺乳類はどういう進化を遂げたのか
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以下

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□クジラの祖先は5000万年前のウシ目から分岐

滑らかな巨体を持つクジラには、陸はおろか浅い川だって生きられないようなイメージがあるが、彼らの祖先は、5000万年前に陸上で暮らすウシ目の動物から分岐した哺乳類である。

当時、クジラの祖先は小型のシカのような姿で、蹄のある4つ足があった。

インドで発見された化石は、クジラになる直前の動物が出産や食事は陸上で行なったが、危険がせまると水に身を隠しただろうことを示している。

彼らはかなりの時間を浅瀬ですごし、水草や無脊椎動物を食べ、やがて小魚や両生類も口にするようになった。

クジラ最古の化石は5300万年前のもので、インド北部のヒマラヤと今日のパキスタンに当たる地域で発見された。

その化石からは、カワウソやビーバーのように陸の上を歩く能力を保ちつつも、水辺での生活から徐々に水の深いところへ移っていった様子が窺える。

クジラの祖先とされているインドハイアスの復元イメージ

□陸で暮らす力がありながら海を渡ったクジラの祖先

新たにペルーで発見されたペレゴセタス・パシフィカス(Peregocetus pacificus)は、まだ陸で暮らす力をそなえていてが、およそ4200万年前に世界の反対側へ壮大な旅に出た。

始新世中期(およそ4800万~3800万年前)、アフリカと南アメリカは現在の半分程度しか離れていなかったが、それでも完全に海の生活に適応していたわけではない3メートルに満たない動物としては、驚きの水泳能力である。

ペレゴセタス・パシフィカスの後ろ足の長さは前足とそれほど変わらず、爪先には小さな蹄があった。このことは、水から上がってもきちんと自分を支えて、歩き回れたことを示している。

□水かきと現在のビーバーのような尻尾

同時に、骨格に見られるほかの特徴は、水の中にもうまく適応していたことを示唆している。

たとえば、後ろ足の足骨には靭帯と腱がくっついていた突起部があるが、これは水かきがあった痕跡だ。

またビーバーのような尾骨は、泳ぐときに便利な補助として使われていた証拠である。ただし、今日のクジラのような尾ビレだったかどうかまでは不明だ。

鋭く、ハサミのような歯からは、ペレゴセタス・パシフィカスが肉食動物だったことが窺える。現在のクジラの多くと同じく、大きな硬骨魚を食べていた可能性が高い。

しかしペレゴセタス・パシフィカスの歯は、複雑な歯尖の犬歯、小臼歯、大臼歯を持つ現代の肉食動物にも似ている。

□長い時間をかけて海の生活に適応していった

長い時間をかけて骨盤骨が脊椎から離れ、泳ぎやすくなった一方、浮力をえられる水中で過ごす時間が長くなったことで、進化のリソースは体重を支えられるだけの強靭な足を作ることには割かれなくなっていった。

やがてクジラの前足はヒレに変形し、後ろ足は退化して消えた。

現在のクジラは、まだ陸で暮らしていた遠い祖先からわかれて随分経つ。その名残りを、いくつかの種の骨盤についている骨の痕跡として見ることができる。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=351984

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