皮膚ってすごい~皮膚がない生物はいない

原猿たちが共感充足を深めたのも「スキンシップ(毛づくろい)」あってこそ。
私たちが生きていられるのも、スキンシップあってこそ(スキンシップを得られなかった乳児は死んでしまいます・・・><。。)

スキンシップ&皮膚のなぞについて、追求してみましょう♪

●皮膚は露出した脳
皮膚は「露出した脳」、あるいは「第3の脳」といわれることがあります。生理学からみても、皮膚と脳の間には、共通点が見つかっています。脳は発生の過程では、皮膚と同じ外肺葉から形成されています。すなわち、皮膚の一部が脳になるともいえるのです。
(中略)
また、皮膚は広げると成人では畳の一畳分もの面積があります。
皮膚の感覚は脳の体性感覚野で処理されますが、その占める面積は脳内で非常に大きな割合を占めています。ですから、脳に与える影響は非常に大きなものとなります。
さらに皮膚は微細な刺激については脳での判断を必要とせず、皮膚が独自の情報処理を行っている可能性についても明らかになってきました。

●皮膚の進化と残存する知覚機能
生命の誕生はおよそ40億年前といわれています。その後、植物や菌類や動物などに分かれていますが、脳をもつ背物が誕生したのは、およそ5億年前といわれています。そして現在でも脳を持たない生物の方がはるかに多くの種類が生きているのです。このことが意味することは、生物によって脳は必ずしも必要ないということです。
確かに脳がない生物はたくさんいますが、皮膚がない生物は1つもいません。単細胞生物では細胞膜がその役割を担っており、多細胞生物では多様な形態に進化していますが、自己と環境との境界として皮膚のような特殊な構造を持たない生物はいないのです。そして、脳をもたない生物は、この境界を特殊に進化させることによって、光や温度などの環境を知覚し判断し、自己にとってもっとも適応的な行動をとるようにしているのです。そのような機能を境界に持つように進化していったともいえるでしょう。(中略)
たとえば皮膚は光を知覚することができます。人間の目は可視光線を捉えることができるように進化してきましたが、皮膚は可視光線も捉えており、またそれ以下あるいはそれ以上の周波数をもつ光も皮膚が捉えています。例えば赤と青の2色の色紙を用意して、それぞれに手をかざすことで、偶然以上の確率で識別できます。また紫外線を受けると皮膚が黒くなるのも、皮膚がそれを知覚している証拠です。
同様に、皮膚は音を知覚することができます。人間の耳で聞こえる可聴帯域は20Hzから2KHzです。ところが、それ以下の耳には聞こえない超低周波からも影響を受けるし、それ以上の超音波からも強い影響を受けているのです。音は空気の振動ですから、それらの影響は皮膚が振動することで生じているのだと考えられています。
さらに味覚は皮膚の一部が変化した舌が感知しており、臭覚も皮膚の一部が変化した鼻の粘膜が捉えています。
このように考えると、皮膚感覚以外のすべての感覚も皮膚は感じる能力をもっていたことがわかります。

●皮膚感覚と心
前述のように、皮膚感覚は自己の意識と密接に関りがあります。また心のあり方との関係も深いようです。
米国の行動経済学者ウィリアムズとバーグの実験を紹介します。彼らは実験参加者を実験室に連れていくエレベーターの中で、温かいあるいは冷たいコーヒーを持っていてくれと依頼しました。実験室に到着後、参加者にはある架空の人物の特徴が書かれているリストを読ませ、その人の印象について評定してもらいました。すると手に温かいコーヒーを持った人は、その人物の人格を「親切」、「寛容」だと判断しました。さらに実感のお礼として「友人へのギフト」と「自分用の品」のどちらかを選んでもらうと、手を温めた人は前者を選ぶことが多かったといいます。
その後の実験では、皮膚を温めると人との対人距離が近くなること、人を信頼しやすくなることなどもわかっています。この実験では手の温度を操作したわけですが、手でなくてはいけないわけではなく、どの身体部位であっても同じ結果になるといいます。つまりは、全身のどの部位でも皮膚を温めると人に温かくなることが分かります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
その理由は、脳の「島皮質」が、身体的な温かさと心の温かさの両方に関与していることにあります。つまり、身体的な温かさを感じると「島皮質」が興奮します。この部位は心理的な温かさに興奮する部位でもあるため、他者に対しても温かい気持ちが高まるということになるのです。
つまり、皮膚の温度の変化が起きると、それは自分でも気づかないうちに心に影響を与えているのです。

参照:http://blog.livedoor.jp/iiotokoiionna/archives/52285801.html#more

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