現実味を帯びてきた年金破綻・・・現政権ははっきり年金精度の破綻について明確にすべき。民主主義など信頼できない。

金子勝の「天下の逆襲」より『年金破綻隠蔽にも片棒 上野前政務官を国会で徹底追及せよ(リンク)」から転載します。
現実味を帯びてきた年金破綻。既に2004年頃からるいネットでは年金問題に関して議論がされている。
現政権ははっきり年金精度の破綻について明確にすべき。民主主義など信頼できない。
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 いま安倍政権が必死に隠蔽を図っているのが年金財政破綻だ。意味のない日ロ首脳会談を27回も重ね、腐敗した内閣改造をハデに押し出し、年金問題を担当していた上野宏史前厚労政務官の外国人労働者口利き疑惑辞任をゴマカそうとしている。

ようやく公表された年金財政検証は、参院選前に表に出ていたら選挙結果がドンデン返しになってもおかしくないほどヒドイ内容だ。口利き疑惑の上野は政務官に在職中、「所得代替率の5割を確保」などと国会で虚偽答弁していた。メディアは上野答弁をもとに財政検証の裏付けのないまま、その場限りの議論をしただけで、その後は年金問題をスルー。それに乗じて安倍は全世代型社会保障改革を推し進め、年金破綻を隠そうとしている。

問題は3点ある。まずマクロ経済スライドだ。年金保険料の納付者減少と平均余命の上昇に応じて年金給付額をカットする制度だが、「試算」でさえ国民年金は3割も削られる。フル支給で6・5万円の国民年金を5万円にも満たない状況に追い込み、どうやって生活しろというのか。とりわけ、非正規労働者や母子家庭、農業従事者の妻らは生活困窮者に陥りかねない。

 2点目は内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」の問題だ。財政検証はこれをベースに6つのシナリオを設定。経済再生のケースでは所得代替率は6割だが、半数のシナリオは5割以下。しかも、半年ごとに更新される経済再生ケースは、イカサマ修正を繰り返している。アベノミクスの失敗を糊塗するためだ。最新版では名目GDP成長率が急上昇し、物価は上がらず、ほぼ金利ゼロ。こんな非現実的なシナリオはありえない。デタラメな内閣府試算に基づいた財政検証もデタラメだと言っていい。

3点目はこの20年間、実質賃金はほぼマイナスなのに、全ケースでプラス想定としていることだ。第2次安倍政権発足以降のプラスは2016年と18年だけで、18年は統計改ざんによるもの。実質賃金がマイナスであれば年金給付が目減りした上に、マクロスライドが効かずに年金財政も破綻する。

 年金破綻を隠蔽する世論操作はモリカケ疑惑と似ているが、モリカケとの違いは財政検証のゴマカシが国民の老後生活を決定的に脅かすことだ。国民一人一人に跳ね返ってくる。上野は加計疑惑がくすぶる萩生田文科相に泣きついているが、国会に引きずり出し、とことん追及しなければならない。野党よ、がんばれ。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=349510

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