アメリカ史上最大の病院システムへのサイバー攻撃で警察緊急通報システムが完全にメルトダウン、日本の東証が過去最悪の障害で取引停止

予兆か単なる偶然か。世界をつないだインフラ、インターネットワークが相次いでサイバー攻撃とクラッシュを繰りかえしている。

リンクより

●東証:現物売買を終日停止、過去最悪の障害Bloomberg 2020/10/01

東京証券取引所は1日、相場情報の配信に障害が発生しているとして株式全銘柄の売買を終日停止すると発表した。原因を調査中で2日からの取引再開を目指す。全銘柄の売買が前回停止されたのは2005年11月で、4時間半取引が止まった。終日取引停止は今回が初で、現物取引で過去最悪のシステムトラブルとなる。日経平均株価と東証株価指数は算出されていない。

◆日本の電子株式取引市場最悪のシステムトラブル

つまり、日本の電子株式取引市場で初めてで、なお過去最悪のシステムトラブルが起きてしまったということらしいです。日本取引所グループは「サイバー攻撃やハッキングではない」と発表したことが報じられていますが、逆にいえば、サイバー攻撃ではなく「普通に故障した」とすれば、そのほうが、その脆さについて信じられない感じです。

◆世界中で大規模なサイバー攻撃と原因不明の大規模クラッシュが続く

最近は中国の台頭もあり事情も変わったとはいえ、東京証券取引所といえば、ニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所と共に世界三大証券取引所であった規模なわけで、それが「単なる故障で終日取り引き停止」だとしたら、それはすごい。まあ、東証の過去最大のトラブルの原因は、今のところはわからないとはいえ、実は、9月の終わりからのこの数日間、「世界中で大規模なサイバー攻撃と、原因不明の大規模クラッシュが繰り返されている」のです。

◆病院のコンピューターシステムがサイバー攻撃される

アメリカでは、9月27日に、アメリカ全土をつなぐ病院のコンピュータシステムがサイバー攻撃で完全にダウンし、全国 400を超える大病院やヘルスサービスのコンピュータシステムが使えなくなったことが伝えられています。9月28日には、アメリカで日本の 110番にあたる警察への緊急通報システムもシャットダウンするという事態が発生し、アメリカ全体で警察への通報システムが作動しないという状態になったことが各地の警察から伝えられました。

◆警察システムの停止とグーグルサービスのクラッシュ

この警察システム停止の原因は、アメリカ全土でビジネスの他、各所で使われているマイクロソフト社の法人向けシステム「オフィス365」が、全国的にシャットダウンしたためであることがわかりました。その数日前には、Googleの各種サービスも、全米でクラッシュしています。

●主要な病院システムがサイバー攻撃で機能停止。米国史上最大の攻撃である可能性があるZeroHedge 2020/09/29

アメリカ NBC ニュースによると、米国全土に 400を超える拠点を持つ主要な病院およびヘルスケア・プロバイダーであるユニバーサル・ヘルス・システムズ(UHS)のコンピューターシステムが、米国史上最大の医療サイバー攻撃の 1つと思われるものに見舞われた。UHS はハッキング攻撃の詳細については説明していない。

また、UHS の職員たちもマスコミの取材に応じることを許可されていないが、匿名を条件とした数人の看護師たちは、攻撃は週末に始まり、その後、医療システムは麻痺したままとなり、医師と看護師たちは、ペンと紙で作業することになったと語った。ノースダコタ州の病院で働く看護師の 1人は、9月27日の朝までにコンピュータシステムは完全に停止したとして、「今のところ、すべてのコンピューターが完全にダウンしている」と看護師は述べた。

アリゾナ州の病院の別の看護師は、「コンピューターは、自動的にシャットダウンし始めた」と述べている。次は、警察通報システムのシャットダウンの原因となったマイクロソフト社のオフィス365についての報道です。

●メルトダウン : Azure とオフィス365を含むマイクロソフトのサービスが全米でクラッシュ The Sun 2020/09/28

多くのマイクロソフトサービスが 9月28日の午後に全米で停止するという事態が起きた。障害は、Azure やオフィス365など、マイクロソフトのサービスの広範囲に渡るようだ。Azureというのは、アプリケーションとサービスを構築、展開、管理するためにマイクロソフトによって作成されたクラウドコンピューティングサービスだ。このマイクロソフトの大規模な障害は、Google がサービスのクラッシュに関する問題を経験してから 1週間も経たないうちに発生している。

◆世界のネットワークサービスが軒並みクラッシュ

これらの障害の原因はともかく、Google、マイクロソフトなどのような現在の社会のネットワークサービスに世界的に君臨しているようなシステムが「軒並みクラッシュしている」のですね。

今回の一連の障害では、

・アメリカの全国的な病院システム
・アメリカの警察システム
・アメリカのオンラインビジネス・システム

などが影響を受けたわけですが、他でも、たとえば、9月20日から米ワシントン州の多数の政府機関へサイバー攻撃が続いていたり(Bloomberg)、9月29日には、ギリシャのオンライン学習システムにサイバー攻撃 があったり(mytwintiers.com)と、いろいろな場所で起きています。

それでも、アメリカが最も「全国的な被害」となっていて、影響も大きく、アメリカ大統領選挙が近いこともあり、「それと関係があるのでは」というような話も出ています。投票や開票システムもまたデジタルの世界です。

そして、今日 10月1日、東証で過去最大の障害が発生、ということになりました。いずれにしましても、「サイバー攻撃で、この世の社会システムのすべてを混乱させられる」という時代になっているのも事実です。そして、今回のアメリカの病院と警察の通報システムの全国的な停止を見ますと、「デジタル化社会というのは実に脆い社会」だということを実感します。
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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=360743

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