アメリカで始まった内戦 : 失業者数が4000万人を超える中、民間に流通する銃の数が「3億2000万丁」となる合衆国が向かう地獄の夏

リンクより

◆左派アナーキスト、右派ミリシア、米政府当局の三つ巴の混乱

多くの地域でロックダウンかそれに準じた制限政策がとられているアメリカで 5月29日、「抗議デモという名を借りた内戦」が始まりました。

最初に始まったのは、ミネソタ州のミネアポリスという街においてでしたが、ワシントンポストの報道によれば、日本時間の 5月31日午前までに、大都市だけでも、少なくとも全米 30都市以上に暴力が拡大しています。

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この暴動は、日本などでは、「黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察に身柄を拘束された際に死亡したことに対する抗議」というように「抗議デモ」と報じられることが多いですが、翌日には「そうではない」ことが鮮明となってきています。

ジョージ・フロイドさんが亡くなった件は「単なるキッカケ」だったと思われます。キッカケを待ち続けていた反体制集団の人たちが、これを機に一気に行動を起こしたと考えるのが妥当なようです。これを示すものとして、5月30日には、ジョージ・フロイドさん事件のあったミネソタ州の知事が、「混乱はジョージ・フロイドさん事件とはまったく関係がない」と会見で述べたことが CNN によって伝えられています。以下のような報道です。

●ミネアポリスでの抗議暴動は「もはや、いかなる意味でも、ジョージ・フロイド氏に対する殺害とは関係のないものだ」とミネソタ州知事は言う

ミネソタ州知事ティム・ウォルツ氏は、5月30日のブリーフィングにおいて、「ミネアポリスの状況は、もはやジョージ・フロイド氏の殺害と関係したものでは決してない」と述べた。知事は「これはアメリカの市民社会を攻撃し、恐れを植え付け、私たちの都市を混乱させるためのものだ」と語った。

知事は 5月29日からミネアポリスで始まった暴力的な抗議デモは、「この暴力は、ジョージ・フロイド氏への死と差別、また私たちアメリカの人種の共同体に対する歴史的トラウマについての問題であるかのように見せかけるための欺きの行為だ」と語った。そして、「暴動を起こしているのは地元の住民たちではなく、部外者であり、市民社会を不安定にするように設計された組織的な攻撃だ」と付け加えた。 (2020/05/30 CNN)

先ほど「キッカケを待ち続けていた反体制集団の人たち」と書いたのですが、これは、先月書かせていただきました以下の記事と関係しています。

リンク パンデミック後の「アメリカの内戦 / 第二次南北戦争」の問題は、起きるか起きないかではなく、「いつ発生するか」が焦点に。すでに民兵組織125団体の7万3000人が即時戦闘状態下に
In Deep 2020/04/26

ただ、この記事で取りあげましたのは「ミリシア」と呼ばれるアメリカの民兵組織のことで、どちらかというと、ミリシアは「愛国主義的な右派の白人層」に支えられています。もちろん、このミリシア側の人たちも、「機会」を伺い続けていたと思われますが、しかし、どうも今回のアメリカの内戦の勃発を最初に引き起こしたのは、この右派ではない可能性が高くなっているようです。

実際のところは、首謀者の存在はわかりにくいのですけれど、 5月30日の米ゼロヘッジは、 USAトゥディがテロ対策担当官を取材した記事を引用して、以下のように記しています。

『ミネアポリスの民主党当局者が、アメリカ全国で見られる暴力的な行動の原因が、「白人至上主義者(極右グループ)」または「外国人活動家」によるものだと主張している一方で、USAトゥディは、群集管理を専門とするセキュリティコンサルタントであり、元イギリス軍のテロ対策担当官のアダム・レガット氏は以下のように示したと報じた。』

「諜報機関からの報告として、ミネアポリスの過激な抗議デモ参加者のほとんどが極左過激派か、あるいはアナーキストたちだ」極右グループはまだ暴動の場面には表だって現れてはいないという。(2020/05/30 Zero Hedge)

つまり、

・ミネアポリスの地方当局は、暴動は極右活動家(ミリシアなど)などが起こした

と主張しているのに対して、テロの専門家は、

・極左活動家の過激派かアナーキスト(無政府主義者)が起こした

と述べていまして、真っ向から異なる見解となっているのです。当然ながら、極右活動家と極左活動家が連携して行動をすることは一般的にはあり得ないですので、どちらかということなのかもしれないですが、真実は今のところわかりません。最初に行動を起こしたのが、どちらの側にしても、すでに一部の人々はアメリカの各地で「自動小銃や重火器で完全に武装している」という姿もあり、すでに、いわゆる抗議デモだけではない側面がわかります。

●襲われた警察車両に登る武装した民間人

リンク Idaho State Journal

この暴動に対しての監視と制御には、すでに警察だけではなく、アメリカ軍(国家警備隊)が派兵されていまして、米メディア「ザ・ネイション」が入手した国防総省の文書によれば、ニューヨーク州、オハイオ州、コロラド州、アリゾナ州、テネシー州、ケンタッキー州、そして事件が最初に起きたミネソタ州の全米7州で暴動を監視しているようです。

●5月30日 ミネアポリスで暴動を鎮圧する米軍兵士

リンク politicopathy.com

なお、重要なことは、今回のようなことも含めて、「アメリカで起きることは、その多くが根本的には計画されている出来事」である可能性が高いことが歴史では示されているということです。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=357365

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