仕事も、居場所もない 「感染者ゼロ」岩手で深まる孤立


これまでの暮らしを一変させた新型コロナウイルスの感染拡大。「感染者ゼロ」の岩手県でも、人々を孤立させ、地域には不安が渦巻いている。

 10万円をひとり親家庭に配ろうと、ネットで希望者を募る企画。応募締め切りの15日、盛岡市の女性(49)も申し込んだ。1万人の募集に40万人以上の応募があると知ったが、すがるような思いでいまの暮らしぶりを書き添えた。

小学校高学年の息子と2人暮らし。求職活動を続けて2年。2級建築士の資格はあるが、家事や育児をしながら働ける場所は限られている。三つの派遣会社に登録していても、新型コロナの感染拡大後、新規の求人は全く入らない。

 頼みの綱は市から支給される月4万円のひとり親手当と、実家からの仕送り。それも食費や光熱費で消え、蓄えを切り崩す。「お金はどんどん出ていってしまう。貯金はいつまで持つんだろう……」

 コロナ禍は日常生活を様変わりさせた。自由に出歩くこともままならず、人々を孤立させている。

 「最近は人に会ってないな。畑に行くか、テレビを見るかだ」。雫石町で暮らす高藤ススミさん(82)が訪ねてきた民生委員に近況を伝えた。地元で開かれるサロン活動や体操が楽しみだったが、新型コロナの影響で軒並み中止に。「1人では体操する気にもならない。早くサロンに参加したい」とつぶやく。

 サロンがなく体調が把握できないため、民生委員たちは自宅の訪問回数を増やしている。訪れると2~3時間、話し込む高齢者もいる。高藤さんが住む地域を担当する高橋義行さん(66)は「体が弱ったり、引きこもったりしないか心配だ」と気をもむ。

 ウイルスという見えない脅威が不安を膨らませ、「コロナ疲れ」で心のゆとりが奪われていく。緊急事態宣言が全国に拡大され、岩手県は都道府県間の移動を控えるよう求めた。それに前後して県内の飲食店や道の駅などで、県外の人に利用自粛を求める掲示が目立ち始めた。

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参照:https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%82%E3%80%81%E5%B1%85%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%80%8C%E6%84%9F%E6%9F%93%E8%80%85%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%80%8D%E5%B2%A9%E6%89%8B%E3%81%A7%E6%B7%B1%E3%81%BE%E3%82%8B%E5%AD%A4%E7%AB%8B/ar-BB14bOKs?ocid=sf

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