コロナ不況はベーシックインカムへの流れを加速させるかもしれない

リンク より引用しています。

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先進国がユニバーサルベーシックインカムに切り替えるのは、まだはるか先だと思っていましたが、コロナウイルスにより全世界的な社会不安が増すことで、ベーシックインカムの流れは加速するのかもしれません。
ベーシックインカムとは、国民全員に(年齢・性別・現在の所得に関わらず)所得保障として一定額の現金を支給する制度です。
一見そのような制度を聞くと「誰も働かなくなる!社会が成り立たない!」と思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。
むしろ「無駄な仕事」を排除し、「世界にとって必要な仕事」に注力することができるのです。
いくつかメリットを取り上げます。

■ベーシックインカムのメリット
・行政が負担しているコストを大幅に削減できる
先程「審査基準や手続方法が煩雑化している」と書きましたが、それは行政にとっても煩わしい問題です。一人に生活保護を渡すため、あらゆる人が時間をかけて動き、相談を受けたり審査したりする必要があり、更にはその後監視し続ける人員も必要になります。
これは生活保護だけでなく、年金や医療費についても言うことができます。
・多くの人が好きな仕事につくことができる
今の仕事に不満を持つ人が社会に溢れかえっています。しかし転職率は5%未満です。何故でしょうか。仕事を失うことに対する不安があります。
今の仕事を辞めて好きな仕事につけるとは限りません、そうなった場合困窮してしまう可能性があります。(20代、単身世帯の貯蓄額中央値は5万円です)
会社は会社で、明らかに「向いていない」と思う人をクビにすることができません。法律が被雇用者の生活を守るため、そう定めているからです。
働かせたくない雇い主、働きたくない被雇用者。誰も幸せにならないですね。
しかしベーシックインカムなら、「失業したので家賃も携帯代も払えない」等ということにはなりません。生活に最低限のお金は入ってくるからです。

■コロナ不況でベーシックインカムが加速する理由
コロナ不況について言及します。
今現在世界経済は、恐ろしいほどのダメージを受けています。
旅行店や飲食店、イベント施設等は直接的にダメージを受けています。残念ながら多くのお店が倒産するでしょう。
更に二次的に被害を受ける業種もあります。農家は飲食店からの注文が来なかったり、学校給食がなくなったことで打撃を受けています。
普通のBtoCの会社も、客足が遠のいてしまい、多くの店舗が不況を訴えています。
そうなってくるとBtoBの会社も危うくなってきます。多くのBtoB会社がもつ顧客にはBtoCの会社が多分に含まれているからです。
例えばBtoCの会社が広告にお金を使う余裕がなくなってしまった場合、広告代理店も苦境に立たされます。
そうすると不思議なことがおきます。みんなが揃って不景気になりましたね?
不景気はお金を誰かが奪っているせいでなるものではありません。お金が動かなくなることで起こるのです。その点今回のコロナ不況は完璧に条件を満たしています。
世界中の流通が止まってしまったからです。

更に今回のコロナ不況は、通常の経済不況と意味合いが違います。通常の経済不況ならば、労働者はまたすぐ働くことができるからです。国や投資家が工場にお金を給付したり、新しく工場を新設すれば、すぐに労働者は戻ってきてお金を稼ぐことができます。
しかし伝染病による不況は違います。お金があったところで、集団感染を防ぐため工場を再開することができません。工場が再開しなければ、商品は出荷されず、お金はどう頑張っても動きません。
リーマンショックより深刻な自体に陥っているのはこれらのせいです。
そのために多くの国は、国民へ直接現金を渡すことを検討しています。
アメリカでは107兆円を使って、現金給付を含んだ経済対策を検討中です。
香港では国民一人当たり14万円の現金給付を盛り込んだ予算案が提出されています。
日本でも、額は未定ですが現金給付が検討されています。
これは貧困層が困窮しないため、という点もありますが、世界中で悪くなってしまった血の流れを、無理やり動かそうという心臓マッサージ的な手法でもあります。
お金を配布したからと言って、今すぐ飛行機が満員になったり、工場が再稼働したりすることはありませんが、今はとにかく動かせるところを動かさなければ、経済全体が死にかけてしまうのです。
今回のことで多くの国や人が、今までの社会構造の脆弱性に気づきました。
あまり不安を掻き立てるようなことをいうのは本意ではないのですが、コロナウイルスが収束したからと言って、すぐまた次の新種ウイルスが流行らないとも限りません。
ならば社会構造を、そういった逆境にも耐えられやすいよう作り直す必要があるでしょう。
すでにトランプ大統領や、イギリスのジョンソン首相は、ベーシックインカムも選択肢の一つとして検討しているとのことです。
この混乱時に、いきなりベーシックインカムが導入される、というのは考えにくいかもしれませんが、いずれ行き着く経済の形へ、加速したことは間違いないと思います。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=354790

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