オーストラリアにおける複数の性的暴行罪に問われていたローマ法王庁財務長官ジョージ・ペル枢機卿(77)に有罪評決が下されていたことが、26日公表された。性的暴行で有罪になるカトリック教会の聖職者としては最高位。
メルボルン地裁の陪審団によるとペル被告は1996年に、メルボルンにあるセント・パトリック大聖堂内の部屋で、聖歌隊の少年2人を性的に虐待した。被告は無罪を主張していた。
昨年12月の時点で有罪評決が下されていたが、法律上の理由からこれまで報道が規制されていた。
量刑言い渡しは、27日の予定。弁護団は上訴する方針だという。
ローマ法王庁の財務長官を務めるペル被告は、ローマ法王庁で3番目の地位にある。
ペル被告に対する裁判は昨年、2度行われた。1回目は評決に至らなかった。
2度目の裁判では、16歳未満の子供相手に性行為をした罪と、16歳未満の子供へのわいせつ行為4件について全員一致の有罪評決が下った。
26日の審理後に裁判所を出るペル被告を、報道陣や野次を飛ばす一般人が取り囲んだ。
ペル被告は全ての罪について無罪を主張している。2017年には、「私はこれらの容疑について無実だ。どれも間違っている。性的虐待という考え方は忌まわしいものだ」と述べていた。
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