世界一の埋蔵量を誇るボリビアのリチウム・・・欧米の容赦ない横取りが始まっている

中国はボリビア自身の発展も考えるが、欧米の横取りは容赦ない。

以下、「中国・ボリビア・リチウム取り引きはおしまいか?」リンク より転載。
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(前略)

 中国は世界最大のリチウム市場だ。遥かに大きな。最も高い成長の可能性がある国だ。2018年には、百万台の中国電気自動車が販売され、需要は指数関数的に増加すると予想される。2030年までに中国の道路上の全新車が電気自動車になるという習主席の予測は楽天的かもしれず、中国シンクタンクによれば、2040年までにそうなる可能性が高いという。

 2019年2月、中国企業、新彊TBEAグループと、ボリビア国営企業ヤシミエントス・ドゥ・リティオ・ボリビアノス(YLB)は、リチウム採掘投資で、市場の需要次第で拡張可能な、ボリビアが51%、中国が49%の株を持つ当初23億ドルのベンチャー企業の契約交渉した。プロジェクトには、ボリビアで付加価値を生み、何千という仕事を作る、自動車用電池製造や更に多くのものが含むはずだった。

 駐ボリビア中国大使は、2025年までに、中国は約800,000トンのリチウムを必要とするだろうと推定している。現代の技術の電気自動車は、70キロワット時のテスラ・モデルSのバッテリ・パック一個のため、約63キログラムもの極めて大量のリチウムが必要だ。ウユニ塩湖の公式な既知埋蔵量は900万トンと見積もられ、米国地質調査局による既知の世界全埋蔵量の約4分の1に等しい。政府推計によれば、ボリビアの全リチウム埋蔵は、主にウユニ塩湖で2100万トンに達する可能性がある。リチウムに対する世界銀行の世界需要予測は今後数年間に急増し、2050年までに現在需要の1,000%以上に達すると見ている。

 この数十億ドル市場のかなりの部分が中国だ。だから、アメリカが引き起こした軍事クーデターそのもの、特にそのタイミングが、ボリビアのリチウムに、より正確には中国・ボリビア契約に関係があると考えるのは、決して牽強付会ではない。

 今年初めから、ボリビアは中国と一帯一路構想(BRI)との連結を交渉していた。リチウム採掘と産業開発はその一環だった。エボ指導下、南米の依然最貧の国を、大半のボリビア国民が「裕福に暮らす」水準に引き上げることが可能なはずだった。双方が恩恵を受ける一帯一路を世界中に拡張する中国の手法での、ボリビアとのリチウム開発のような二国間取り引きは陸封されたアンデス山系の国の生活状況改善に大いに貢献したはずだった。

 中国があらゆる時にこきおろされ、激しく打たれる状態で、明らかに、欧米人自身が主張したいとを望む市場に対する、このような何10億ドルもの長期協定を、本当の悪の枢軸、アメリカ合州国やヨーロッパ諸属国やカナダやオーストラリアは許さない。それゆえ、エボ・モラレス大統領と彼のMAS党同盟者や後継者となりうる人々は去らねばならなかった。非武装先住民は買収された警察と軍隊に脅迫されなければならなかった。彼らはたたきのめされ、実弾で銃撃されている。エボが約一週間前に辞職を強いられて暴力が始まって以来、亡くなった犠牲者は、現時点で、少なくとも25人に達している。

 今の「暫定」政府が「緊急事態」つまり事実上の軍・警察独裁制を宣言するのは予測可能だ。自国民の生活向上のために使いたいと望む貧しい国の天然資源は不幸の元凶になり得る。特にその国が社会主義政権なら。だが前向きな希望の輝きとして、ボリビア国民は頑固な筋金入りの権利の擁護者であることが知られている。チリやエクアドルやアルゼンチンや、おそらく間もなくブラジルなど近隣諸国の国民による失われた市民権のための抗議支援と団結で、全てが失われることはないのかもしれない。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=351608

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