「ツイッター13歳未満禁止では」 大阪の小学6年女児誘拐事件を機に指摘

大阪市の小学6年女児誘拐事件で、女児はツイッターを通じて容疑者男性と知り合ったとされる。本紙でも子どもが会員制交流サイト(SNS)を使う危うさについて報じる中、読者から編集局へこんな指摘があった。「ツイッターは、そもそも13歳未満の利用が禁じられている」。なぜ、それを書かないのか―と。

 ▽SNS利用 問題意識、社会で共有を

 すぐにツイッターの利用規約を確認した。「いかなる場合においても、本サービスを利用するためには少なくとも13歳以上でなければならない」とある。恥ずかしながら、記者自身や周りの同僚は知らなかった。無料通信アプリLINE(ライン)で中国新聞とつながる子育て世代のフォロワー15人に尋ねると、12人が「知らない」と答えた。

 強調して伝えるべき情報だったと気付かされた。運営会社が「13歳未満の子どもが使うにはリスクがある」として使用を禁じているわけだ。事件の被害女児が12歳だったからこそ、埋もれがちだった年齢制限が浮き彫りになった。大人は教訓として認識し、さらに目を光らせる必要がある。

 年齢制限があるのはツイッターだけではない。写真や動画を投稿できるアプリ「インスタグラム」や「TikTok(ティックトック)」も13歳以上と明示。動画投稿サイト「ユーチューブ」は「13歳未満の子どもによる利用を意図していません。あなたが13歳未満の場合、(中略)利用しないでください」と記す。

 子どものスマートフォン利用について啓発講座を開く、広島市電子メディア協議会の開地義明会長は「それほど危険なものを持たせようとしているのだ、と保護者に繰り返し伝えていく」と強調する。ただ、PTA役員を務めた経験から保護者の「弱音」もよく知る。「詳しくないと逃げずに学んでほしい。使用を巡り反抗されても毅然(きぜん)とした態度で向き合って」と呼び掛ける。

 一方で、いかに規約で禁じようとも使えてしまう現状もある。ツイッターであれば初期設定で生年月日を偽れば、利用を始められる。端末の機能を制限するフィルタリングは有効な手段の一つだが、インターネット上には「親にばれずに解除する方法」などの「抜け道」情報が飛び交う。

 同協議会の活動に協力する、比治山大子ども発達教育学科の鹿江宏明教授は「SNSの運営側にも、児童を不特定多数の人とつなげない工夫や抜け道への対策が今以上に求められる」と指摘。「家庭教育の充実と併せ、社会全体で問題意識を高める必要がある」とする。

参照:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191202-00010000-chugoku-soci

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