未精製の穀物が体に良いは本当なのだろうか?????

未精製が体に良い?

ウチに来る患者の中にも、まだ玄米や全粒粉のパンなどを食べている人がいます。精製されたものよりも、未精製のものの方が体に良いと信じているからでしょう。しかしそれは全くの間違いで、糖質をどうせ摂るのであれば、未精製のものよりも精製されたものの方がお勧めです。とはいえ、糖質自体必要無いといえばそうなのですが。

マクロビはともかく、玄米菜食やベジタリアンでなくても精製穀物は身体に悪いと信じている人がいます。では精製穀物が体に悪いという話はどこから来たのでしょう。

精製穀物が体に悪いと言われるようになったきっかけは、19世紀後半のアメリカやヨーロッパにあります。当時ヨーロッパや北部アメリカではパンが主食として食べられていて、19世紀前半までは未精製の小麦を使ったいわゆる「黒パン」が主流でした。

ところが産業革命で蒸気機関が普及し、小麦の精製技術が進んで精白小麦が一般的になると、精白小麦を使った「白パン」が一般的になります。白パンは黒パンに比べ柔らかくて味も良く、保存も良かったため、瞬く間に黒パンを駆逐していきました。また産業革命によって安価で大量に作られるようになった砂糖とともに、一般家庭に普及していきました。

白パンが家庭に普及していくと、一般庶民の間でも肥満や糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管障害、痛風などがみられるようになっていきました。これが精白小麦を使った白パンの普及に伴って起こったと考えられ、精白小麦は身体によくないという話が起こったのでした。

ヨーロッパやアメリカでは精白小麦の普及と砂糖の普及はセットでした。ですから当時の庶民からすれば、健康問題のきっかけが精白小麦の普及なのか、砂糖の普及なのか、区別できなかったのは想像に難くありません。しかし中国南部や東南アジア、日本などで主食として食べられていたコメに関しては、今も昔も玄米ではなく白米、つまり精製してから調理され食べられていました。

ヨーロッパやアメリカでよくみられていた肥満や慢性疾患がアジアでは珍しく、日本やアジアでは脚気が社会問題となっていたことから見ても、白米文化であったことはよく分かります。つまりヨーロッパやアメリカで起こった肥満や慢性疾患の原因は、小麦を精製したことではなく砂糖の普及によるものだったのです。そしてそのことは、アジアや日本で砂糖が普及し始めてから肥満や慢性疾患が増加しだしたことから見ても、間違いありません。

さらに言うと、砂糖研究基金(SRF)が精製穀物が肥満や慢性疾患の原因であるというキャンペーンを張って、日本のマクロビオティックをアジアの健康法として絶賛し紹介したことも、精製穀物が悪であるという印象操作に利用されました。しかし実際は精製穀物よりも未精製の穀物の方が、ミネラルなどの栄養吸収を阻害し栄養欠乏を悪化させるため、摂るべきではないのです。

参照:https://www.facebook.com/shukaku.nagao/posts/2602698536474701

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