気温と太陽活動の相関関係

気温と大気中のCO2濃度には強い相関関係があります。近年、CO2地球温暖化仮説が脚光を浴びるようになり、気温と大気中CO2濃度の関係が注目されるようになっています。
まず、注目されたのは、南極ボストーク基地における氷床コアに残された過去の大気の成分分析結果です。

氷床コアの分析から、南極における気温と大気中のCO2濃度あるいはCH4濃度の間には強い相関関係があることが明らかになりました。
分析結果から、気温変動が原因となって、気温の高き期間には海域あるいは陸域からCO2やCH4が大気中に放出され、逆に気温の低い時期には海域あるは陸域がCO2やCH4を吸収することによって大気中濃度が変動するものと考えられます。

ところがCO2地球温暖化仮説ではこの因果関係が逆転して、大気中のCO2濃度の変動が原因となって気温を変動させるという理論が展開されています。実際、気温は何によって変動するのでしょうか?
炭素には原子量12の他に原子量13の安定同位体(13C)と原子量14(14C)の半減期が5715年の放射性同位体が存在する。14Cは大気中に含まれる原子量14の窒素に宇宙線(中性子)が衝突することによって生成されます。
宇宙線量は、太陽の活性度を示しています。太陽の活性度が高いと地球に到着する宇宙線量は減少し、逆に活性度が低いと宇宙線量は増加します。
別の活性度の尺度として、太陽黒点相対数があります。太陽の活性度が高いと黒点相対数は増加し、逆に活性度が低いと黒点相対数は減少します。
太陽の活性が高い時期には気温は高く、逆に太陽の活性度が低い時には気温が低いことがわかります。

CO2地球温暖化仮説では、確かに太陽活性度と気温は相関があるように見えますが、太陽の放射強度の変動だけでは気温の大きな変動は説明できないとして無視してきましたが、上記を考慮した場合、無視するのは適切ではありません。

スベンスマルクは地球に到達する宇宙線量が雲量を変化させることによって太陽放射に対する地球の反射率が変化するという、いわゆるスベルスマルク効果を提唱しました。
大気を構成する気体分子が宇宙線を受けることによってイオン化し、これが相互に結合して凝結核となり雲が生じます。つまり、太陽の活性度が低くなると太陽放射強度が弱くなるだけでなく、宇宙線量が増加することによって凝結核が増加し雲量が増加するため太陽放射に対する反射率が大きくなり、気温低下が増幅されというものです。逆に太陽活性度が高くなると太陽放射強度が強まるだけでなく反射率が低くなるため、気温上昇が増幅されます。

スベンスマルク効果の定量的な評価は確立されたものではありませんが、定性的にはこれを支持する観測結果が報告されており、将来的には太陽活性度と気温変動の関係を定量的に評価する可能性のある有力な仮設だと思われます。

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