2015.11.13 パリ同時多発テロ(兵頭正俊氏)

2015年11月13日夜、パリの、少なくとも6か所で、同時
多発の連続襲撃事件が発生し、日本も狙われた。


「エリック ・C


ル・フィガロ紙に「日本のレストランが標的として狙わ
れた(un restaurant japonais ont ?t? la cible des
tirs)」としっかり書かれている。
http://bit.ly/1Lg9zPb
そして当時、ラジオでも同様の事を言っていた」


(引用終わり)


このことを東京の大手(「記者クラブ」)メディアは必
死に隠している。政権に都合の悪いことは、一切触れな
いのだ。


最新の情報によると172名以上が亡くなり、7人の容疑者
も自爆あるいは射殺されて死亡した。


欧米を中心に世界中が興奮状態にある。しかし、何事も、
細部を論じる前に、大局を見失わないことが大切だ。そ
の大局は、今回の連続襲撃事件では3点押さえておけば
十分だろう。


1 EUへの中東難民は、米国の戦争ビジネスの犠牲者であ
る。


2 ISISは、米国・イスラエル・英国によって作られ、育
てられた。


3 このパリ同時連続襲撃事件で、もっとも得をしたのは、
欧米の戦争屋たちである。逆に困った立場に追い込まれ
たのは、難民を引き受け、米国の中東政策から手を引き
つつあったドイツのメルケルらを中心としたEUである。


この連続襲撃事件について、ISIS(Islamic State、
IS)」が、14日に、インターネット上に犯行声明を投稿
した。「フランスはISの攻撃対象であり続ける。なぜ
ならイスラム教の預言者を侮辱したり、ISの領土に空
爆を加えたりしているからだ。今回は最初の攻撃にすぎ
ず、その通告として行ったものだ」と、もっともらしく
述べている。


EUとりわけフランスは深い悲しみに包まれている。ドイ
ツの政治家・ジャーナリスト・識者が、一部の襲撃犯と
避難民とを一緒にしてはならないことを注意喚起してい
る。このあたりは、さすがはヨーロッパ民主主義の伝統
を感じさせる。


しかし、「わたしはシャルリ」の正体が、ほんとうは、
「わたしは神を売るシャルリ」といったイスラムへの冒
涜であったように、原因を作ってきたのは、シリアを、
米国の戦争ビジネスに便乗して空爆してきたフランスだ。


シリアのアサド大統領が、「フランスを襲った野蛮なテ
ロは、シリアの人々が5年以上にもわたって耐えてきた
ことだ」と述べたのは、そういう意味だ。


フランス人が殺されると世界中が驚く。そして哀悼の意
を表する。しかし、シリア人の200万人以上の死には、
見向きもしない。これはあってはならないことだ。人の
命に軽重はないのである。


これが、もし日本で起こっていたら、こんな当たり前の
ことも、東京の政治家・ジャーナリスト・識者はしゃべ
らないだろう。


かれらは報復で国民を煽るにちがいない。すでにネット
では、この機会を利用して、「緊急事態条項が日本国憲
法に必要だ、などという議論になりはしないか」と心配
する声が挙がっている。


このパリ同時連続襲撃事件は、間違いなく安倍の中東参
戦、戦争ビジネスに利用されていくだろう。


その点、ネットには冷静で深いツイートが見られる。


「amaちゃんだ


フランスの戦後最大級のテロについて、イスラム国を犯
人と決めつける人が多いが、よく考えてごらん。
毎日、ロシアの爆撃に怯え、主力が次々に殺され逃げ回
っているイスラム国に、こんな巨大テロを実行できる能
力などあるものか。これを実行できるのは、世界でイス
ラエル=モサドとアメリカCIAしかない。


イスラエル=アメリカは、この種のテロ事件を、これま
でどれだけ実行してきたか。
9.11はモサドの犯行であることが完全に曝露された。
トンキン湾事件もアポロ11号もケネディ暗殺も、アメリ
カは陰謀茶番国家である。
モサドの陰謀は、はるかに凄まじい。
ホローコストだってシオニストの計画したものだ。


パリのテロ 凄惨な現場
http://bit.ly/1MICn8q


Fibrodysplasia


パリのテロだが、ボストンでのテロやシャルル・エブド
の事件同様、工作なんだと思う。移民を排斥する方向で
のフランスの国民感情を高めるためのもので、フランス
の世論を移民流入の阻止に向けて誘導し、政策当局を突
き上げる目的があると思う。かくして政策当局が雇った
と推測する。後はドイツへの牽制。


@qlmaster 様 カネは、ISISの上層部にわたって、末端
を特攻させていると推測します。


テロを利用して、フランスはとりあえず国境を閉鎖して
ムスリムの流入をストップし、後は、最終目標であるキ
リスト教国の維持とムスリムの国外追放へと向かいたい
のであろう。しかし、すでに定着してしまっているムス
リム2世・3世は国内でスラムを形成。排斥しようとすれ
ば、ますますスラム化が進む。


岩上安身


パリでご存知の通り、日本時間午前6時過ぎ、同地では
13日午後10時過ぎ、パリの中心部を中心に約7か所で銃
撃・爆発などの同時多発テロが起こった。ISが犯行声明。
フランス全土で緊急事態宣言。日本も他人事ではない。
安倍政権が狙う改憲による緊急事態宣言の導入、治安強
化が正当化される。


IWJウェブ速報


【パリ同時多発テロ3】AFPによると、劇場を襲撃した犯
人の一人は「オランド大統領の過ちだ。彼はシリアに介
入すべきでなかった」と話し、今年9月からシリアで
「イスラム国」(IS)に対する空爆に参加している仏軍
を非難したという。


【パリ同時多発テロ7】シリアのバッシャール・アサド
大統領は、フランスの政策の誤りが「テロの拡大」につ
ながり、そのため銃や爆弾によるパリにおける128名の
死につながった、と述べた。
http://yhoo.it/1j1qazu 」


(引用終わり)


ここで、冷静に、今回のパリ同時連続襲撃事件を考えて
みよう。


今回の連続襲撃事件によって難民が受けるメリットは何
もない。これからさらに激しい難民排斥運動がヨーロッ
パに広がるだろう。


「やのっち


フランス北部の港町カレーの難民キャンプが炎上してい
ます。大手メディアが報道しない状況から、大衆に見せ
たくない事実である可能性が非常に高いです。
http://bit.ly/1HLrthO 」


(引用終わり)


この動きは、最終的にはドイツのメルケル批判につなが
る筈だ。


技術的な問題としては、犯行に使われた武器(自動小銃
や爆弾)を、襲撃犯たちはどこでどうやって手に入れた
のだろう。もっとも簡単に手に入るのはフランス当局で
あり、続いてCIAである。訓練の習熟度からいえば、
CIA・フランス諜報機関の支援を得て、ISISが実行した
可能性もある。


ウィーンでは、ちょうどシリア正常化を話し合う「シリ
ア支援グループ」の会合が、2週間ぶりに再開されてい
た。このタイミングは偶然とは考えにくい。


『Sputnik日本』(2015年11月14日)は「ウィーンのシ
リア交渉、反体制リスト、憲法、人道問題が焦点、パリ
のテロ」と題して、次のように書いている。


「ウィーンでシリア正常化を話し合う「シリア支援グ
ループ」の会合が2週間ぶりに再開される。


ロシアはこの会合で正常化交渉に含めねばならないシリ
ア反体制派のリストおよびテロ組織の列挙が承認される
ことを期待している。ロシアはこの件ですでに米国と前
提的なリストの交換を行っており、アラブ首長国連邦か
らも反体制派のリストを受け取っている。ロシアのボグ
ダノフ副首相は「これはすべて討論のためのものであり、
最終的なリストではなく、考え」であることを確認して
いる。


副首相はまた、ウィーンではシリア政権および反体制派
の会談の可能性が討議されることになっており、必要で
あればロシアはそのための場を提供する構えであること
を明らかにしている。副首相は、シリアでの選挙期日に
ついてはシリア国民自身が決めねばならないと補足した。


前回の会合ではコミュニケが採択され、統一のシリアお
よび国家機関の温存と「IS(イスラム国)」やその他の
テログループの殲滅、シリア難民とそれを受け入れる諸
国への支援の必要性が確認されている。こうしたうえで
シリアの運命はシリア人自身が決めるべきであり、権力
および反体制派は唯一の政府を作り、憲法を採択し、選
挙を行う」
http://bit.ly/1St7gO8


(引用終わり)


これは全面的な米国の敗北を紹介した記事である。


正常化交渉のためのシリア反体制派のリストおよびテロ
組織の列挙を、会合でやるという。そのリストには、当
然、ISISなど米・英・イスラエルが訓練し育ててきたテ
ロ組織が含まれていよう。この虎の子の、テロ組織のお
陰で、米軍は中東に留まり、米軍産複合体は潤ってきた。


「シリアでの選挙期日についてはシリア国民自身が決め
ねばならない」とは、昨日まではアサド政権打倒だった
米国にとっては屈辱的な転換である。


決定的なのは、前回の会合で採択されたコミュニケの内
容だ。


1 統一のシリアおよび国家機関の温存


2 ISISやその他のテログループの殲滅


3 シリア難民と、それを受け入れる諸国への支援の必要



4 シリアの運命はシリア人自身が決める


5 権力および反体制派は唯一の政府を作り、憲法を採択
し、選挙を行う


これはロシア・アサド側の全面勝利である。


この段取りで進めば、米国は中東でこれまで得てきた権
益をほとんど失う。


FIFA、世界陸連とロシア叩きが続き、今回のパリ同時連
続襲撃事件である。


わたしはこの事件の背景には、米・英・イスラエルの諜
報機関の暗躍が存在すると考えている。もちろんパリ同
時連続襲撃事件の内容は、オランド大統領も関わってい
たと思われる。


このことが点から線へ、そして面へと広がるには、9.11
がそうであったように時間がかかる。しかし、いずれさ
まざまな証拠の積み重ねによって、パリ同時連続襲撃事
件は、パリの9.11であったことが明らかにされていくで
あろう。


米国は、世界の覇権を手放さない。米国は、世界最強の
軍事国家であり、211兆ドル(2京6000兆円)もの国家債
務が第三次世界大戦を呼び続ける。
http://wapo.st/1kLj4Aw


善悪の彼岸で、まだ世界は米国を中心に回り続けるので
ある。

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