歯科業界の闇:保険診療制度がある以上、歯の健康は維持できない。保険制度で定期健診をすることは違法である。それでも保険制度がなければ客は来ない

保険診療の奴隷
僕が保険診療をやめた理由は色々ありますが、まあ一言でいえば「保険の奴隷でいることをやめた」という感じかな。保険診療は歯科医師にとってはオイシイ制度です。だから日本の歯科医師の99%が保険診療をやっているわけ。せっかく大学に6年も通って歯科医師になったのに、保険を捨てるなんて正気の沙汰じゃないよね、ってよく言われましたし、僕もそう思います。
だからね、今保険診療をやってる歯医者を責めちゃダメですよ。保険の奴隷になり下がることをやめて、自立して生きていけなんて言うのは簡単だけど、そいつの生活の保障なんてできないでしょ。保険をやめて自費専門で生きていくって相当大変なんだから。
保険診療の診療報酬はOECD平均の約1/10なんだから、まともに診療して保険請求していたら、立ち行かなくなるのは当然です。なのになぜ保険をやめないのか、そこに保険の闇があるんです。
例えば保険の歯医者で歯科治療をして、治療が終わったら「定期検診に通ってください」って言われますよね。でも、定期検診を保険で行うことは立派な違法行為です。でも大半の保険の歯医者はこれをやっています。百歩譲って保険外で定期検診を行っても、歯石取りを行うことは出来ません。これはなぜかというと、保険診療のルールに、「保険で認められている治療を自費で行ってはいけない」というのがあるからです。
保険医療機関である限り、定期検診は自費で、歯石取りは保険・自費に関係なく行ってはならない、となれば、まともに定期検診なんてできませんよね。他にも保険診療のおかしなルールはたくさんあります。
厚労省が国民総医療費を抑制したいから、歯科保険点数が異常に低く設定されていることは著書に書きましたが、ではなぜ歯医者は保険を手放そうとしないのでしょう。それはやはり、保険診療があるからこそ、患者が来るのだということに尽きます。
安い保険で患者をおびき寄せ、患者を言いくるめて自費に誘導するのが、今の歯医者の勝ちパターンと言われるものです。だから勢い強引な手口や、洗脳に似た手法で患者を自費に持ち込みます。これは大いに問題ですね。
ですが保険をやってる以上、逃れられないものがあります。それは「指導・監査」です。というのも、今の複雑にこじれまくった保険制度の中においては、100%完全にクリーンな診療など、出来っこありません。保険医は誰でもすねに傷持つ身。監査が入ればヤバいことになり、最悪保険医停止の処分が下されてしまいます。
これが怖いから、保険医は厚労省に頭が上がりません。また、下手に目立って内部告発などで監査が入ってはたまりませんから、目立たないようにしています。同業者の嫌がらせでも、告発は良くある手口です。
そんな業界ですから、保険診療を信頼するのはお門違いってものですよ。保険診療をやっている限り、保険の奴隷であり、本当に患者のためになんて、働けっこありませんから。

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