「栄養補助サプリメントは健康にまったく寄与しない」という衝撃的な医学研究が米国で発表される。それどころか、カルシウムとビタミンDの同時服用は「脳卒中になるリスクを高める」ことが判明

以下、In deep(リンク)より引用

~中略~

「カルシウムとビタミンDを同時に服用すると、脳卒中にかかるリスクが高まる」

という記事をご紹介させていただこうと思います。

この「カルシウムとビタミンDの同時服用」というのは、どういうことのために行うのかといいますと、ビタミンDというのは、小腸や腎臓などからカルシウムの吸収を助けてくれる作用を持つために、「カルシウムとビタミンDを同時服用すると、骨が丈夫になる」と信じられているからです。

なお、太陽の紫外線には、人体内でビタミンDを合成する働きがあり、つまり

「ビタミンDは、太陽の光にあたるだけでも十分に体内で作られる」

のですけれど、近年では、いろいろ理由がつけられ、「日光だけでは不十分」として、サプリメントを飲むように奨励する商業的なアプローチが社会全体として強く、カルシウムにおいても、サプリメントでの摂取の推奨が進められています。

そんな中で、アメリカで 7月8日に発表された医学論文では、

「ほとんどの栄養補助サプリメントは、健康の役にも立たないことしか見出されなかった」

と発表され、健康上の利益がないだけではなく、先ほど書きましたように、カルシウムとビタミンDの同時服用は脳卒中のリスクを上昇させている、というようなことまでもがわかったのでした。

~中略~

■カルシウムとビタミンDの同時摂取は脳卒中のリスクを17%増加させる

アメリカ内科学会が発行する医学誌アナルズ・オブ・インターナル・メディシン (Ann Intern Med)に 7月8日に掲載された論文で、カルシウムとビタミンDのサプリメントを同時に服用すると、脳卒中にかかるリスクが 17%高まる可能性があることが発表された。

しかも、他の栄養補助サプリメントの大部分も、心血管系に利益をもたらすことがないことが見いだされた。

以前、発表された研究では、アメリカ人の 37%がビタミンDのサプリメントを摂取しており、43%がカルシウムサプリメントを摂取していることがわかっている。また、英国の調査でも、人口の約 45%が何らかの特定のビタミンサプリメントを摂取していることが判明している。

しかしながら、それらのサプリメントの多くは、単に役立たないだけではなく、心臓や血管に有害である可能性があると米ウェストバージニア大学のサフィ・カーン博士(Dr. Safi Khan)は警告している。

研究者たちは、ほぼ 100万人を対象とし 277のランダム化臨床試験を分析し、16種類の栄養補助食品サプリメントと、参加者の食事を変えた 8回の実験の効果を検証した。

心臓や血管に対して利益があるとわかっているものとしては、魚油に含まれるオメガ-3脂肪酸が、心臓発作や冠状動脈性心臓病のリスクを減らすことが研究によって示されており、葉酸は脳卒中の危険性を減らすことも研究でわかっている。

しかし、その他のサプリメント、つまり、ナイアシン、鉄、そしてあらゆる種類のマルチビタミン・サプリメントを含むほとんどすべてのものは、「死亡率や心血管疾患に大きな利益を及ぼさなかった」と論文には記されている。

それどころか、カルシウムとビタミンDの同時摂取は脳卒中の可能性を 17%高めることがわかった。

研究者たちは、カルシウムおよびビタミンDサプリメントを摂取することの、この予想外の危険性は、それらの同時使用が血管内のアテローム硬化性プラークの形成に寄与しているという事実によると示唆している。

また、カルシウムとビタミンDのサプリメントの同時接種は、通常、脳卒中や心臓病を発症するリスクが高い高齢者に奨励されるものだということが、状況のさらなる危険性として浮かび上がる。高齢者は、骨が脆くなることを防ぐためにカルシウムとビタミンDを服用する場合が多いが、しかし、高齢者ほど心臓疾患のリスクも高い。

英オックスフォード大学のスーザン・ウェッブ (Susan Webb)教授は、この研究の結果は驚くにあたらないとして以下のように述べた。

「妊娠中など、特定のビタミンや微量元素の不足を予防または排除する必要がある場合を除いて、栄養補助食品やサプリメントは、一般の人々に推奨されるべきではありません」とウェッブ教授は言う。

また、魚や植物性の食物が豊富な、いわゆる「地中海式食事」と呼ばれる食事も、同様に、心臓の健康に大きな利益を与えることは見いだされなかった。とはいえ、地中海式食事の持つ、全体的な健康上への利点を否定するものではない。

なお、栄養関連の研究では、因果関係の確立に常に問題があるため、研究者たちは、このようなデータは慎重に解釈されるべきであると指摘する。

しかし、研究者たちは、ごく普通に暮らす多くの人々は、あまり積極的に栄養補助食品を摂取するべきではないと考え始めているようだ。人体に必要なすべての物質はバランスの取れた食事から簡単に得られることができると彼らは言う。

研究者のひとりはこう述べる。

「健康を改善して早死のリスクを減らすことができるという魔法のような単一の栄養素はこの世には存在しないのです」

以上、引用終わり

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=347568

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