「豆腐のニガリは内臓を固める?」・・・ これは迷信です。というか悪質なエセ科学です。

「にがりは内臓を固める?」

これは迷信です。というか悪質なエセ科学です。

このバカげた迷信は、豆腐から来ています。豆腐の原料に、にがりを垂らすと固まりますよね。だから、体内でも同じことが起きるのではないかということです。

豆腐は親水性のコロイド(タンパク質)が結合したものです。原料に塩化マグネシウム(にがり)を入れると、マグネシウムのイオンの作用で、コロイドから水分子が離脱します。そして、このイオンを介してタンパク質が結合していく仕組みです。これをゲル化といい、ゲル化したタンパク質は沈殿し、これが豆腐になるわけです。

つまり、このゲル化はタンパク質が凝固したように見えるだけです。

そもそもタンパク質の凝固とは「熱を加えることで、全くもって別の物質になる変性タンパク質が生成される仕組み」のことを指します。

にがりを飲んで内臓が固まるわけがないのです。過去にそういう人がいたのなら是非教えていただきたい。

また、にがりは液体のものに数滴垂らして、薄めて摂取するものであり、もちろんそれを無視して大量に飲んだりすれば、急性中毒は起きるでしょう。実際ににがりがブームになった時そういう人はいました。しかし、それはどんなミネラルでも常識を外れた過剰な量を一度に摂取すれば、誰でも副反応が出るものです。

そもそも、塩化マグネシウムは生体内では収縮した組織をむしろ弛緩する働きがあります。(にがりはごく稀にカルシウムを使用していることがあります。これは出来るだけ避けるようお願いします。)

にがりの成分は塩化マグネシウムが主体で吸収性が非常に良いことから、マグネシウムを不足した現代人の補助食品としては利便性の高いものです。それをこのように煽って、マグネシウムを不足させていく方がよっぽどタチの悪い発信となるわけです。

もちろん、クロロフィル食品からマグネシウムを摂取することも大切です。海藻類は最強のクロロフィル食品です。

いずれにしても、塩化マグネシウムで内臓が固まると言ってるのは、世界的に見ても、見事に日本だけです。厳しい言い方ですが、日本の栄養学のレベルの低さを象徴しているかのような話です。

参照:https://www.facebook.com/nobunaga.yoshitomi/posts/1162809907232709

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