食物繊維・サラダ(腸内細菌のエサ)の上手な食べ方・・・善玉菌を外部から補給しようとしても、実際には生きたまま腸に届いていないそれなら、保有している菌を育てよう

善玉菌を外部から補給しようとしても、実際には生きたまま腸に届いていない、と云われるようになって、乳酸食品愛好者は、ちょっとショックでした。それなら、保有している菌を育てるしかない(=育菌?)というわけで、そのヒントを探る。以下、引用。

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食物繊維の研究に長年にわたり第一線で取り組んでいらっしゃる奥恒行先生(長崎県立大学 名誉教授/日本食物繊維学会 顧問)に、食物繊維の種類や役割、食生活での取り入れ方について教えていただきました。

◆基礎をかんたんにまとめました。食物繊維とは?

 食物繊維は、英語ではdietary fiberと呼ばれます。fiber(繊維)なので、野菜や果物など植物のスジというイメージを持つ人が多いかもしれません。
 実は、食物繊維とひと口にいっても、野菜や果物に含まれるもの、海藻に含まれるもの、微生物がつくるものや動物性のものもあります。私たちが考えている以上に食物繊維には多くの種類があるのです。
 食物繊維の多くは分子量が大きな多糖類の仲間で、大きく分けると水に溶けやすいもの(水溶性)と水に溶けにくいもの(不溶性)があり、期待される機能に違いがあります(表1:リンク)。

◆食べた後どこで何をする? 食物繊維の働き

 食物繊維に共通する大きな特徴は、人が消化・吸収することができない難消化性成分であることです。食物繊維はそのほとんどが吸収されず体の中を通過します。体内に吸収されるわけではないのに、なぜ体によいのでしょうか。摂取したときの体内での動きに沿って確認してみましょう。
 食事で口から入ったものはまず胃に入りその後小腸へと移動します。そのとき食物繊維が十分にあると、食べたものが胃や小腸に存在する消化酵素に触れにくくなるので、消化・吸収がゆっくり進みます。さらに小腸では、主に水溶性の食物繊維が食物中のコレステロールやブドウ糖の吸収を抑えることが知られています(1,2)。

 次に食物が小腸から大腸に移ると、食物繊維が大腸に存在する腸内細菌のエサとなります。そのときに乳酸や酢酸などの酸がつくられるため、大腸内が酸性の環境となります。善玉菌とよばれる乳酸菌やビフィズス菌などは、酸性の環境で増え、腸内細菌叢(腸内フローラ)を健全な状態に維持してくれます。腸内細菌叢が改善されると便の嫌なにおいが減少することが知られており、その機能を活用して食物繊維を配合したペットフードもあるほどです。さらに最も知られている特徴として、主に不溶性の食物繊維は便の量を増やしますので、大腸の粘膜壁を刺激して、排便を促し便通を整えてくれます(3,4)。

 このように食物繊維は、便通を整えて便秘の解消に役立つほか、コレステロールやブドウ糖などの吸収を抑え生活習慣病予防に役立つなど生理的な機能を持っています。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=345898

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