アフリカの少数民族に魅せられたフォトグラファー。アフリカに行って悟った生きることの意味とは・・・日本は保険に入って将来を考え、退職金や貯蓄を計算して、将来のために今を我慢しながら人生を進める

リンクより引用)
5歳の時、テレビで見たマサイ族の姿に心奪われ、「いつかマサイ族になる」と夢を見続けていたヨシダさんは、現在頻繁にアフリカに行き、マサイ族をはじめとする少数民族を撮り続けています。写真展やメディアでの華々しい活躍から、やりたいことをすんなり仕事にしているように見えますが、ここに至るまでには決して順風満帆でない道がありました。もともとおとなしい性格だった彼女は、中学でいじめを経験して不登校になり、ネットで知り合った人が制作したヨシダさんのホームページをきっかけにグラビアアイドルとしてデビューします。その後は20歳でイラストレーターに転身し、23歳でようやく長年の夢だったアフリカの地に降り立ちました。現在フォトグラファーとして活躍するヨシダさんの根底にあるのは、揺るぎないアフリカ人への敬意と憧れ、そして深い愛。アフリカへ行く理由や、今までの衝撃体験、アフリカの少数民族から学んだ多くのことをたっぷり聞かせていただきました。

─ アフリカに行かれてから日本が違った視点で見えてくると思うんですが、一番強く感じた違いはなんですか?

日本人は先のことを考えすぎて結局ことを起こさないんだなって思いました。全てに言い訳をして、よくわからない先のことを考えすぎて苦しくなって不幸になってるって、アフリカ人に会ってから思うようになりました。彼らは凄くシンプルで、将来の夢を聞いても質問の意味すら理解できず、明日明後日の返事が返ってくるんですよ。「明日はお父さんと同じように牛を追いかけるよ」って、お父さんと同じように生きて死んでいくっていう感覚なんです。幸せっていう単語もわからないし、人が死ぬこと以外は悲しくない。常にいつも一定のペースで幸せに生きているんです。

─ 日本は保険に入って将来を考え、退職金や貯蓄を計算して、将来のために今を我慢しながら人生を進めますもんね。

そうなんです。アフリカ人に先のことを考えて心配してるって言ったら、「今日の夜お腹いっぱい食べられてみんなで眠れたらそれだけで幸せじゃない。先のことがどうなるかなんて誰もわからないのに、どうして悲しい顔をしてるの?今が幸せじゃないならこの先も幸せじゃないよ」って言われて。本当にそうだなって思いました。

─ 逆に日本と少数民族が同じだと思ったことはありますか?

今、同じ時代を生きてるってことくらいかな(笑)。本当に違いますね。

─ ところで少数民族ってネットは使わないんですか?

民族によって違うし、差が激しいです。白人が入りにくいエリアだと携帯の電波が入らないんですけど、彼らはむしろ好んでそういうところに住んでいます。治安が悪いところほど電波が入らないですね。

─ 彼らは日本人の存在を知ってるんですか?もし知っていたら日本人のことをどう思ってるんですか?

タンザニアのマサイ族は、違いまではわからないと思うけど日本人と中国人が存在するってことはわかっています。でも携帯を持っていない民族は私のことをアメリカ人だと思ってる。「なんで最近来なかったの?」って聞かれたから「日本は遠いんだよ」って言ったら「歩いて何時間かかるの?」って。「うーん、歩いては行けないよ。飛行機でね」って言うと、「あ、たまに空飛んでるでっかい鳥みたいなやつか!」って言う人たちもいるんです。貨幣経済が成り立ってないところもあるし、お金があっても使い道がない生活をしてます。

─ 他にも印象に残っている出来事や、衝撃だった少数民族はいますか?

衝撃的だったのはスリ族です。 20歳くらいの子に「年齢いくつ?」と聞いたら「3歳」って返ってきたんですよ。大体の少数民族は、カレンダーや携帯がないから時間の刻み方に若干のズレはあるので、年齢を聞くと前後2~3歳で答えが返ってくるんですけど、スリ族の16歳くらいの子からもやっぱり「2歳」と返ってきたんですよ。みんなそういう感じなんです。私がちょうど3日後に29歳になるときだったので彼らにそのことを言ったらザワついた(笑)。私たちよりも時の流れがすごくゆっくりな中で生きているんだなっていう衝撃を受けました。

─ 少数民族の方々に会って、ご自身は一番何を得たと思いますか?

考えすぎないことかな。21歳くらいまでは、生きることはすごく苦しくて大変で、人生なんて早く終わっちゃえば良いのにってずっと思っていたんですけど、 彼らと出会って、“生きる”ってもっと楽で良いんだなって思えるようになりました。人にそんなに大きな迷惑をかけなければ、自分の人生なんだから好き勝手に生きて良いんだなと。嫌なことがあったらその時にどうするか考えればいいし、今を楽しくしていれば、そんなに嫌なことって起きないのかなって、彼らを見ていてそう思う。生きることが本当に楽になりました。

─ ヨシダさんご自身が裸になって少数民族の中に入って撮影することもあるそうですが、同じ格好になるのは相手が女性の時だけですか?

撮影をする際に本人達の許可が絶対に必要な場合は、同じ格好になることで時間短縮で敬意を示せるんです。男の人は正直、どの民族でもなんとかうまく交渉できるんですよ。でも女性は万国共通で難しくて、心底気に入られないと協力してもらえない。彼女たちは私のことを白人だと思っていて、白人は自分たちのことを蔑んでいると思い込んでいるんです。そうじゃないっていうのを態度で示さなきゃって思って脱いだら、すごくその心意気を買ってくれたというか。

─ ヨシダさんにとって理想の女性像はありますか?

お母さん。アフリカの女性って強いんですよ。少数民族は、立場的には男性が強いケースが多いんですけど、それを支えているのは結局女性だし、子供が頼るのも、何かあったときに精神的に支えてくれるのも、やっぱりお母さんなんだなって思うと、そういう強いお母さんになりたいなって思います。落ち込んでいる人に、私がいるだけでもう一度立ち上がれると思ってもらえるような存在になりたいです。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=343964

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