喫煙率は下がり続けているにもかかわらず、肺がんの死亡率はいまだ高い…意外な原因がある。

肺がんによる死亡率はなぜ高いまま?

喫煙率は下がり続けているにもかかわらず、肺がんの死亡率はいまだ高く、男性1位、女性2位と、がん死亡の主原因となっています。さらに、肺がんは早期発見でも5年生存率がそう高くないため、やはり治療に期待するよりも予防の方に力を入れていくことが大切です。

では、なぜタバコの喫煙率が急降下しているのに、肺がんの死亡リスクは相変わらず高いのでしょうか。

日本で増えている肺がんの多くは、肺腺がんの方であり、喫煙と相関の高い扁平上皮がんは現在2割ぐらいにすぎません。つまり、喫煙率が下がるにつれ、それと相関する扁平上皮がんも昔に比べたらちゃんと下がっているのです。代わりに増えているのが、肺腺がんの方であり、こちらは喫煙による影響ではありません。

 

では肺腺がんの主原因は一体なんでしょう?

 

それは「油」です。

 

実は肺腺がんは、油の中でもリノール酸で促進されることが証明されています(Jpn J Cancer Res. 1989 Jun;80(6):499-502)。アレルギーや動脈硬化と同様に、リノール酸の摂り過ぎが欧米型の癌の主な危険因子となっており、濡れ衣を着せ続けられたコレステロールはむしろ防御的に働いていることがわかっています(Prog Lipid Res. 1996 Dec;35(4):409-57)。

また、日本の研究者から聞いた話ですが、グリセロール(グリセリン)という油の成分をネズミに毎日与え続けると腺がんの兆候となる腺腫がぽっこりできて増え続けるそうです。海外の発表でも、油のグリセロールが腺がんを発症させると報告しています(Jpn J Cancer Res. 1986 Feb;77(2):103-5)。

面倒なことに、グリセロールは油脂だけでなく、実は食品添加物としてよく使用されており、たとえば食品の水分を維持する保湿剤、そして甘味料、保存料、増粘安定剤などに姿を変え、こうして加工食品に隠れています。また、医薬品、化粧品、歯磨き粉、石けんでも、保湿剤や潤滑剤として使われています。

ちなみに、グリセロールは年間100万トン以上生産されており、大豆油などの油脂の加水分解によって合成されています。

リノール酸系の植物油を使用した料理や加工食品の摂取はできるだけ避け、さらにグリセリン由来の添加物や保湿剤の入った医薬品や化粧品にも注意が必要です。

現代の肺がんは喫煙だけではなく、油による影響が大きいと考えられます。

※もちろん原因は他にもあります。

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