アルミニウムに拮抗するマグネシウム…アルミニウム(Al)は副甲状腺ホルモン(PTH)を抑制するため、Ca/Mg摂取バランスが正常であってもAlが存在する以上、生体内のCaとMgに大きな影響を与えます。

アルミニウムに拮抗するマグネシウム

マグネシウム(Mg)はカルシウム(Ca)と拮抗するために、カルマグ(Ca/Mg)バランスから勉強する人も多いでしょう。しかし、中枢神経のような神経組織においては、Mgと他の金属ミネラルとの関係において、まず重視されるのはアルミニウム(Al)です。(故・糸川先生のMg指針も、CaからではなくAlから始めていました)。

※アルミニウム中毒の症状として、けいれん、食欲低下、疝痛、過度の口渇、胃痛、胃潰瘍、硬化した便、脾臓の痛み、アルツハイマー、認知症などが挙げられます。原因としては、制汗剤、日焼け止め、ローション、たばこフィルター、大豆調合乳、アルミニウムを含んだ調理器具、アルミ缶詰、ベーキングパウダー、(一部の)乳化剤、水道水、消臭剤、ワクチン、アスピリン、下痢止めなどが考えられます。アルミニウムは水銀、ヒ素、鉛、カドミウムよりも毒性は低いですが、デトックス治療しない限りそれらよりも蓄積していくミネラルです。そのため、長期的に影響を及ぼしていく疾患になりやすいのです。

アルミニウム(Al)は副甲状腺ホルモン(PTH)を抑制するため、Ca/Mg摂取バランスが正常であってもAlが存在する以上、生体内のCaとMgに大きな影響を与えます。つまりCa/Mgバランスを見る前にAlの存在有無を確認する必要があります(毛髪ミネラル検査等で確認していきます)。

血中の副甲状腺ホルモン(PTH)は、甲状腺ホルモンとともに、摂取されたMgの血清レベルを調整していますが、Alによりその調節機構が阻害されてしまいます。さらに、PTHは、アデニル酸シクラーゼという酵素の活性化によって血中のCaやMgを増加するのですが、この酵素の分泌にMgが大きく関与していますので、血清Mgが低下すると、PTH分泌も減少してしまうのです。

※このようにホルモンとミネラルはお互いの存在率を向上し合う性格があります。ホルモンはミネラルの吸収効率を高め、ミネラルはホルモンの分泌を促進するという、ちょっとややこしい機序があります。

PTHが減少してしまうと、腎臓での活性型ビタミンDが減少していきます。そうすると、血中Caも減少します。

さて、このようなアルミニウム中毒は、マグネシウムの薬理的摂取によって阻害できます。マグネシウム維持がアルミニウム曝露でやられたのなら、マグネシウム摂取でやり返すというイメージです。(もちろんビタミン剤や硫黄化合物なども併用します。硫黄については個体差により使用有無を決めます)

生体内にマグネシウムを正常に維持することにより、アルミニウム中毒を阻害できます。これは医療の分野だけでなく、植物の分野でも利用しています。マグネシウムはアルミニウムによる植物毒性を改善することができ、その多数のメカニズムが報告されています。(J Exp Bot. 2011 Apr;62(7):2251-64.)

有害金属は、その曝露から避けていくことが一番大切ですが、いつどこで摂取しているかわからないだけに、マグネシウムなどの拮抗ミネラルの薬理的効果によって、排除していくことも大切です。

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