偏差値の高い大学に行っても将来の収入が上がらないって本当?

今や子どもたちにとって、勉強は強制圧力以外の何ものでもない。それもそのはずで、もはや学校での勉強は将来と何もつながっていないのでだから。。。。

 以下、リンクからの引用です。

——————引用開始——————–

「偏差値の高い大学へ行けば将来の収入が高くなる」と信じている人は多いだろう。かつて「受験地獄」という言葉を生み出したほど、日本の大学受験の競争は厳しいことが知られている。それでも、将来安定した収入が得られるようになるのであれば、若いうちにがんばって勉強する意味もあるかもしれない。

しかし、もしそうでなければ、無理して勉強して偏差値の高い大学を目指す必要はないのかもしれない(もちろんほかの理由でよい大学に行こうとする人もいると思うが)。はたして偏差値が高い大学に行くことは、本当に将来の収入アップにつながるのだろうか。ここで重要になってくるのは、「大学の偏差値」と「年収」の関係が相関関係なのか、それとも因果関係なのかということだ。

相関関係………2つのことがらは一見すると「原因」と「結果」の関係にあるように見えるものの、実はそうではないような関係のこと。原因と結果が逆であったり、別の第3のことがらのせいでそのように見えてしまっている場合などがある。この場合、もう一度原因を取り入れたとしても、同じような結果は得らえない。
因果関係………2つのことがらが「原因」と「結果」の関係にある。つまり原因があるからこそ結果がもたらされたということを意味する。もう一度原因を取り入れれば、次も同じような結果が得られることが期待される。 

 アメリカの大学入試選抜は、日本とはやや異なっている。日本では筆記試験が中心なのに対して、アメリカでは筆記試験の結果以外に、高校の成績や教員からの推薦状、エッセイ、過去のボランティアやリーダーシップの経験などによって総合的に選抜される。

 プリンストン大学のアラン・クルーガーらは、それぞれの受験者が「どの大学に合格し、どの大学に不合格だったか」という情報を用いて「マッチング法」という研究手法を行った

(中略)

●偏差値の高い大学に行った「から」収入が上がったわけではない

 マッチング法を用いたこの研究の結果を見てみると、驚くべきことに、ある大学に合格して実際に進学した生徒のグループと、同じく合格したがその大学に行かずに偏差値の低い大学に進学した生徒のグループのあいだで、卒業後の賃金にたいして統計学的に有意な差はなかったことがわかった。

 多くの人は、「偏差値の高い大学に行けば収入が上がる」と信じているが、クルーガーらの研究では、そのような因果関係の存在に否定的である。

 まさにクルーガーらが述べるように、「より偏差値の高い大学に行くということは、すべての生徒にとって自身の将来の収入を最大化する選択なわけではない」し、「その大学に行けば、誰もが将来の収入を高められるというような唯一無二の大学ランキングなど存在しない」というわけだ。

 クルーガーらは論文のなかで、ミネソタ州ノースフィールドにある名門私立大学カールトン・カレッジの学長を務めたスティーブン・ルイスの言葉を引用している。大学ランキングについて問われた際、ルイスは以下のように答えた。「問題は、どこが最高の大学か、ということではない。本当の問題は、誰にとって最高の大学か、なのだ」。これが、クルーガーらの結論でもあろう。

 相関関係なのか因果関係なのかを見極めることができるようになれば、世の中にあふれるもっともらしい通説に惑わされることもなくなるし、ビジネスの場でもデータからより正しい「真実」を導き出すことができるようになる。ビッグデータ時代の現代においては必要不可欠のスキルであると言えるだろう。

 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=320652

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