学習塾だけど、授業はしない。子どもが自ら勉強する環境をつくる「affetti」孕石修也さんに聞く、夢と目標を結びつける指導の仕方①

( リンク )より引用
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みなさんは子どもの頃、勉強が好きでしたか? 
もちろん、「好きだった」と言う人もたくさんいらっしゃると思いますが、いわゆる一方的な“知識の詰め込み型”の授業に疑問を感じていた人も、少なからずいるのではないでしょうか?

今回ご紹介する愛媛県松山市の「affetti(アフェッティ)」は、なんと“授業をしない“学習塾。授業をしない代わりに行っているのが、徹底的に子どもと向き合うことで本人の夢と目標を結び、子ども自ら勉強する環境をつくること。その指導方針が評判を呼んでいます。

経営しているのは、孕石修也(はらみいししゅうや)さん。愛媛大学在学中に起業したこともあり、静岡県の出身ながら、大学卒業後もこの地に根付いて活動を続けている26歳の若者です。

親、友達、学校、地域…。それぞれが絶えず変化するなか、子どもを取り巻く環境もめまぐるしく変わっていきます。そんな昨今を孕石さんはどう感じ、どのような方法で、どのような思いで子どもたちと向き合っているのか、お話を伺ってきました。

□徹底的に向き合い、夢と目標を結びつける

「affetti」は、松山市の萱町商店街の一角に教室を構え、地域の人が集まる場所として夜まで明かりが灯っています。

ここでは、決められた講義時間はありません。週に3回ほど子どもたちが来塾し、それぞれが自主的に決めた時間の中で学習するスタイルをとっています。その上で、週に1度の孕石さんとの面談が行われ、そこで子どもの悩みや夢、どう行動しているかなどを、徹底的に向き合って聞いていきます。

『大人も子どもも、何も考えなくていい環境に慣れ過ぎてしまったんじゃないかと思っています。偏差値という客観的基準によって、いつの間にか偏差値を挟んだ向き合い方しかできなくなってしまったのではないかと。
大人は「自分の時はこうだったんだから…」という前例に当てはめて、子どもに「勉強しなさい」という便利な言葉を押し付けてしまいがちですが、「なぜ勉強するのか?」の問いにはなかなか答えられない。でも本来、勉強って夢という目的を見据えた学習、すなわち手段であるべきだと思うんです。 』

そこで、孕石さんが大切にしているのが“夢と目標を結びつける”ということ。それができれば勉強を強制する必要などなく、子どもたちが自ら考え、勉強を始めるのだと孕石さんは言います。

『自分の進みたい方向、目標が見えてくると、自ずと勉強に前向きになれます。それは如実に子どもたちの表情や目に表れてくる。だから、その方向性を見出だすための“向き合う時間”を大事にしています。』

「affetti」では、入塾の際に独自の「セルフクエスチョン・ワークシート」を使った面談を実施。入塾希望の子どもたちに、「絶対成功すると保証されていたら、どんなことに挑戦する?」や「今、死ぬ時に後悔するとしたらどんなこと?」などの問いに答えてもらい、自らの夢について考える時間をつくります。

『これが入塾後、最初に行う作業です。「なんで学習するのか?」という問いに結びつけることで、「大事なことをやっている」と感じられるようになるし、僕と子どもたちの信頼関係づくりの一助にもなります。』

また、子どもが親御さんと一緒に来たときには、お互いの良いところを書いてもらい、“大事な人のことを考える時間”を意図的につくることもしています。

『もちろん、それでもうまく向き合えない子もいます。生徒一人ひとりに合わせて、少しずつ向き合う角度を変えていく。時間を置いてみたり、いろいろと試行錯誤をしながら、生徒が向き合いやすくなる“安心感”をつくりたいと思って取り組んでいます。』

とても柔らかな、お父さんのような雰囲気をもった孕石さんのもとには、休憩の合間もたくさんの子どもたちがやってきます。そして、なんでもない会話でも、子どもたちから向かってきたことに対して、時には手紙のやり取りもしながら、孕石さんは丁寧に受け止めます。中でも特に心に残っているという一通を見せてくれました。

『この手紙をもらった時、彼女の中で一筋の光が見通せるようになったのではないかと感じました。どんな方向に進んでいきたいのか、親も子どもも分からなくて、足踏みをしていたのに、誰かと向き合って話をして、目的を共有したことで、やることがはっきりしてきたのだと思います。』

そして、子どもが変わってくると、親御さんにも変化が出てくるのだと、孕石さんは話します。

『学習する目的がはっきりして子どもが頑張れるようになると、成績も自然に良くなります。すると、不思議と親も変わってくるんですよ。


それまで頭ごなしに勉強をさせていたという人が、子どもと正面から向き合い、子どもが取り組むことと、自らが取り組むことを区別する“課題の分離”ができるようになってくる。これはとても大きな変化だと思っています。』

 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=320128

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