【知らないことは知らないと言えることは権威を高めることにつながる】
数年前、ある日男の子が私に言いました。
先生って、自分の知らない質問をすると、「馬鹿な質問はするな!」とか、「そんなことは今関係ない!」とか言って怒るんだよね。
その男の子は、小学生のときから、学校へ行かなくなりました。
先生の意表を突くような質問を良くしていたようです。そのたびに怒られ、学校を見放したといったほうが正しいのかもしれません。
自分では、「学校へ行けないのではなくて、行かないのだ。」と言っていました。
「大人って、エラい自分を守るために権力を使い、結果的に権威を落としているんだよね。」
と、とても鋭いことを言っていました。
その男の子は、塾に通いながら、自分で勉強し東大に入学しました。
このことを思い出したのは、河合隼雄先生の本を読んでいたら、ちょうど同じようなことが書いてあったので思い出しました。
「権威」という言葉は、アメリカでは好ましいと感じる人が多いのに対して、日本人の多くは好ましくないと感じるという。
日本人は「権力」を嫌う傾向があるあまり、「権威アレルギー」になっていると言うのだ。
なるほどそうだなと思いますね。
お子さんが、難しい質問をしたとき、「君の質問は面白いが、今すぐには答えられない。来週までに考えてくる。」と言っていたとしたら、先生の権威は高まったかもしれない。
権力を捨てることによって、内的な権威が磨かれることになると思いませんか?
知らないことは知らないと言えて、学ぶことができれば、自分も成長できますよね。
ふと思い出した、あの子は、今頃くしゃみでもしているかしら(笑)
その子に会うまでは、私はそんなことは無意識でしたが、それからというもの気をつけるようにしています。お子さんに教えてもらうこと多いですよね。