子どもにスマホを持たせる前に読むべし!

書籍『2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣』横田晋務(著),川島隆太(監修)の紹介記事リンク より転載します。
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■1.スマホを使うと、勉強してもしていない人と同じに
 例えば算数・数学の勉強時間が「2時間以上」でスマートフォン使用が「4時間以上」の場合の正答率を見てください。55%です。一方、勉強時間が「30分未満」でスマートフォン使用を「まったくしない」場合の正答率は60%です。
 家庭で平日に2時間以上も勉強している子が、ほとんど勉強していない子より成績が悪いという衝撃的な結果になっています。 
 たとえ2時間以上勉強しても、4時間以上スマートフォンを使っていると、勉強はほとんどしないがスマートフォンを使わない子どもの成績と同じか、それ以下の成績になってしまうのです。
 正直なところ、私たちは、この分析結果に驚きました。
 なぜなら当初、長時間勉強している子どもたちは、多少の差はあれ、成績上位層にいるものと予想していたからです。

■2.LINE等の通信アプリはやめても悪影響が残る
 さらに、スマートフォンとは異なる点として、使うのをやめた群の成績変化が挙げられます。
 スマートフォンの場合、短時間使っていて使うのをやめた群は、偏差値が上がっているにもかかわらず、LINE等の場合には、短時間でも使用してしまうと、たとえやめても偏差値は下がってしまうという驚くべき結果になったのです。
 これらのことから、スマートフォン、LINE等の使用は経年的に考えても成績に影響を与えていることが明らかになりました。
 特に、スマートフォンの場合には使用時間を1時間に抑えることで成績への悪影響をととめることができると考えられますが、LINE等の通信アプリの場合には、過去に使用したことがあるというだけで成績に悪影響が出てしまうことが分かったのです。

■3.ゲームも成績に悪影響がある
 次に、平日に家で勉強する時間ごとにゲームプレイ時間と成績の関係を調べてみました。
 図2-2のグラフは、第1章で見たスマートフォンやLINE等の使用時間と成績の関係のグラフと非常によく似た形を示しています。
 したがって、勉強時間が同じでもゲームプレイ時間が長い子どもは短い子どもに比べて成績が低いと考えられ、どんなに長時間勉強してもゲームをしてしまうと、勉強した効果が打ち消されてしまうということがゲームに対してもいえることが明らかになりました。

■4.テレビを観る時間が長いと、言語脳力の発達が遅くなる
 図2-5は、テレビ視聴時間と言語知能の関係を調べたグラフです。
 ゲームの解析データと同様に、グラフ中の斜めの線は点(データ)の集まりの関係を示しており、横断解析、縦断解析の両方で、右肩下がりを示しています。つまり、テレビの視聴時間と言語性知能に負の相関関係があるといえます。
 これらのことから、テレビを観る時間が長い子どもほど言語性知能が低く、3年後の変化量も小さいことから、その後の言語能力の発達が遅くなってしまうことを突き止めました。

■5.睡眠時間が長いほど「海馬」は育つ
 これは前節の調査でも明らかなように、寝すぎが悪影響を与えることはなく、睡眠時間は長ければ長いほど「海馬」の灰白質量は多くなることを裏付けていると考えられます。
 動物実験や、睡眠障害を対象とした研究では、
(1)睡眠時間の減少により、海馬の神経新生が減ってしまう
(2)睡眠障害者は睡眠障害のない人と比べて海馬の灰白質量が少ない
 などが明らかにされているため、睡眠時間が脳の健全な発達に大きな影響を与えていることが分かります。

 ===========================================================以上

 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=320068

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