がんと体温の関係 ~身体を動かし体温を上げよ!~

がんと体温の関係について、生理学博士・久間英一郎氏のコラム(リンク)を紹介します。

*******************************
昔は子どもの体温は37度近く、大人は 36.5~36.8度くらいだったのですが、今日では高い人でも36.2~36.3度、ほとんどの人が35度台だそうです。戦後60年、食生活も随分変わ りましたが、病気もまた随分変わりました。そして、食生活と病気を結びつけるカギの1つが実は体温にあったのです。

体温が1度下がると 免疫力が37%落ちます。代謝は12%落ちます。体温が平熱より1度上がると免疫力は5倍に上がります。だから病気をすると体温が上がるんです。体温が下がるのは由々しきことです。さらに加えて、がん細胞は、35度で一番増殖します。39.3度になると死にます。がんが増えているのは、体温が低 下したからです。
その証拠として、高い温度を有する心臓や脾臓にはがんは発生しなくて、中が管になっていて冷えやすい臓器(食道・胃・肺・大腸・卵巣・ 子宮等)に発生しやすいのです。

では、なぜこのように日本人は低体温になったのでしょうか?
第一に身体を動かさなくなったこと、第二に減塩のし過ぎ、第三に水分の摂り過ぎが上げられます。

高度成長期以降、車や家電製品の普及で身体を動かさなくなりました。人の体温の4割以上は筋肉で生まれますので、動かないと冷えるのが当然です。そして、筋肉の7割以上が腰から下にありますので、歩くことの重要性がご理解いただけると思います。

次に減塩のし過ぎについて。悪い塩(化学合成塩)は減塩どころか摂らない方が良いのですが、自然塩なら身体の要求に応じて しっかり摂る方が望ましいのです。少し摂り過ぎても汗をかいて出すとか、野菜類を少し多めに摂ればバランスがとれるのです。塩は、生命活動の根幹をなす栄 養素です。特に日本人は穀菜食民族ですし、国土の関係から微量ミネラルを塩に依存してきた歴史からいっても、いい塩を摂ることは特に重要です。

水についても、身体が要求しているのならともかく、習慣的に年中冷たい清涼飲料水を飲んでいるのが現状です。これらは、冷たいだけでなく甘いので益々身体を冷やすのです。漢方では水分の摂り過ぎを「水毒」と言い、様々な痛み等の原因とされています。

この他にも夏はクーラーで、冬は薄着で冷え、年中ビール、アイス、生野菜、バナナ、パイナップルと身体を冷やし、食べ過ぎ、ストレス、薬の乱用、睡眠不足とこれまた身体を冷やすのに事欠かないのが今日の食生活です。

自然界の動物は、体調が悪い時は食を細くし、体温を上げて自然回復をジッと待つのです。私たちも熱が出たからといってすぐ解熱剤に頼るのではなく、動物に見習うのも大切なことだと思います。

 

シェアする

フォローする