直射日光を完全に避けたり、いつも日焼け止めクリームをしっかりと塗っているという、極端な行動には警告したい

日焼け止めの功罪

私は日焼け止め剤は否定していません。むしろ、陽ざしの強い時期には必要だと思っています。

しかし、直射日光を完全に避けたり、いつも日焼け止めクリームをしっかりと塗っているという、極端な行動には警告したいと思います。さらに、一般に市販されている日焼け止めの成分にはさまざまなトラブルがつきものであり、毒性のある成分の入っていないものを選ぶべです。

ということで、今日は日焼け止めについて考えていきたいと思います。

まず、直射日光を全く当たらずに、完全に紫外線を避け、その上で日焼け止めクリームを塗ると言うのはやめた方がいいでしょう。その理由は、皮膚に紫外線UVBが当たることで、ビタミンDというあらゆる生理活性に携わるホルモンが生成されなくなるからです。せめて、30~60分の日光浴(木陰でもOK)をした上で、日焼け止めを塗るということであれば大賛成です。

実際に、日焼け止め使用で顕著にビタミンD不足が生じる報告がここ日本でもあります。
https://mainichi.jp/articles/20170712/k00/00e/040/241000c

次に、日焼け止め成分についてです。一般にどこでも市販されているレベルの日焼け止めクリームにはいろいろな問題があります。ただし、問題といっても、全ての人に関わるとは言い切れず、人によっては長期的に使用すると副反応が起きる可能性があるというレベルの話です。

紫外線を吸収して、肌へ届かないようにする成分のオキシベンゾンは、アレルギーを起こしたり(Rodriguez,2006)、強力な抗アンドロゲン作用を有したホルモン異常を起こす可能性(Krause,2012)があります。実際に、米国疾病管理センターに集められた最近のデータ報告では、オキシベンゾンの検出値が高い青年の男の子は、総テストステロン値が有意に低いことが分かっています(Scinicariello,2016)。

同様にオクチノキサートという成分もアレルギー反応や内分泌かく乱反応が報告されています。

紫外線を散乱させて肌に侵入させないようにする、(特にナノ化された)二酸化チタンは以前は低毒性とされていましたが、最近の研究では、酸化ストレスの強いもの、DNA損傷などの遺伝毒性のあるもの、免疫毒性や神経毒性のあるものなどと報告されています。

ところが、最近の大規模調査では、日焼け止め使用による大きな副反応はさほど見受けられません(Photodermatology;Volume27, Issue2,April 2011)。そのため、実際のところ、どこまで本当に有害なのかは不明であり、あとは個人によって副反応も異なると考えられます。いずれしても、リスクを回避するということであれば、これらの有害成分の無い日焼け止めを選んで使用するべきです。

肌を白く見せたい、しわやしみの無い皮膚を維持したいという気持ちはよくわかりますが、それ(紫外線回避)を徹底しすぎたために、ビタミンD欠乏に陥り、発がんしたり、インスリン抵抗性になったり、脳・心疾患などになったのでは、どれだけ美しさを維持しようとも、やはり意味がありません。

安易な日焼け止めの使用は避け、ノンケミカルのものを選び、使用頻度が高すぎないように注意すべきだと思います。  

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