硝酸態窒素自体は発癌性物質で土壌の汚染を示す指標の一つです。もちろんほかの様々な毒に比べ薄いというのはあるものの、水などに入り込んできやすいので要注意です。硝酸態窒素の危険性は硝酸塩と同じで、血液の酸素運搬能力を奪い、特に乳幼児を窒息死の危険にさらします。ペットボトルの水などにもよく入り込んでおり、あるデータでは有名10銘柄中8つから硝酸態窒素が検出されたそうです。
ネットに転がっている2007年のデータだと、41銘柄中33本は0.5ppm以下だったので、大手ブランド水より地域銘柄水の方が安全だそうです。ちなみに汚染度が最も高かったのは、アクアネットジャパンの「伝説の水・志布志」で4.6ppmだったそうです。次にひどかったのは、東京都の武蔵野市民が水道水として利用している水源の水をボトリングした「水・好き」で、2.3ppmだそうです。ほかに大和川酒造店の「会津・喜多方名水『空』」と、奄美大島にしかわ酒造の「長寿の島の水」で、1.2ppmから2.3ppm出たそうです。
環境省指定の「名水」をうたう水は、ペットボトル調査でも、7本すべてが汚染されていたそうです。環境省指定の「名水100選」をうたった水や、採水地が名水100選の採水地に近い7本は、エヌアイエスフードサービスの「霧島の天然水」から1.2ppm、名水の里の「五代松ごろごろ水」、北海道ミネラルウォーターの「羊蹄のふきだし湧水」、富山ビバレッジの黒部源泉水の3本から0.5ppm~1.2ppmの硝酸態窒素が見つかったそうです。名水を過信してはいけません。
他にも一昔前のデータですが、
硝酸態窒素 塩素
SUNTORY 天然水 奥大山 2.3 0
日本コカコーラ いろはす 1.1 0
香川県多度津町 1.5 0.5
香川県三木町下高岡地区 0.2 0.6(2012/09/18)
香川県三木町下高岡地区 0.3 0.6 (2013/06/15)
(単位 ppm)
なんかもあるようです。誰かさんがこの濃度だったら心配ないとかど真ん中ストライクでテンサイなこと言うんでしょうが、想像力がないので複合汚染について考えることができないんでしょう。といってももはや肥料使いすぎなニホンなので、どの水をとっても混入するのは避けられません。あと硝酸態窒素を恐れるのはいいですが、たとえ硝酸態窒素が入っている水でも、砂糖まみれのジュースやコーラの毒性にはまったくかないませんので、うまくリスクマネージメントすることです。