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さて、TPPは、2006年にニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4カ国で発効したTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement 環太平洋経済連携協定)の分野及び参加国を拡大して交渉がなされていると説明されてきた。
ところが、である。 いざ、成文ができあがってみると、一大事が起こっていた。 正式名称は何と、“Trans-Pacific Partnership Agreement”である。 『環太平洋連携協定』。 (批准書寄託国であるニュージーランド政府のサイトで確認したから間違いない)
TPPは、経済連携協定=EPA(Economic Partnership Agreement)の一つであると説明されてきた。 ところが、ここから「Economic」が脱落した。 単にPA=「連携協定」となった。
はなはだ面妖な事態である。 経済面で連携を図るのがEPAである。 TPPでは、連携の対象である「経済」を敢えて落とした。
自由貿易史上、他に例をみない画期的な「PA」なるものがここに現れたのだ。
EPAは確立した類型であるから、Eを落とすにはそれなりの理由があったはずである。 しかし、まっくろくろすけ、墨塗り大好き政府からは全く説明がない。
EPAは連携対象が「経済」に限定されているが、PAは連携対象を特定していない。 つまりは、経済だけではなく、政治も含めて(やがては司法や軍事も含めて)国家のあらゆる面において提携する協定になっていくことを想定していると思えてならない。
EUのような国際組織が念頭にあるのかもしれない。 たちが悪いことに、TPPの盟主は、米国に巣くう軍産複合体や、強欲保険金融、悪辣食糧産業、肥大医療など米国の虚業とでもいうべき巨大企業群である。
PAには、当然ながら、主権放棄の問題が伴う。 EUの成立発展過程では、各国は主権の制限を意識し、必要な場合には、各国の憲法上の手続も践みながら、共同体を形成したのである。
環太平洋共同体(TPP)は、そうではない。 真っ黒、墨塗りのまま、国民には何も知らせず、主権を放棄させ、グローバル資本が支配する圏域を確立し、国民を餌食にしようというのだ。 後世、歴史には、『2016年日本併合』と記されるかもしれない。
この疑念には他にも理由もある。 米国がEUとの間で締結交渉を進めているのはTTIPA(Transatlantic Trade and Investment Partnership Agreement)=環大西洋『貿易投資』連携協定である。 連携の対象はあくまでも「貿易」と「投資」に限定されている。 それに対して、TPPは対象を敢えて限定しないPAとなっているのだ。
今回のTPPでは、近い将来に、国の主権を全面的にグローバル資本に献上することが想定されていそうである。
そうでなければ、なぜEPAではなく、PAなのか、交渉過程のいつどのような理由でPAとすることになったのか政府から合理的な説明がない限り、TPPを亡国の主権放棄として、根本から疑う理由は十二分にあるというべきだ。
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