発酵食品のはずが、発酵していない?

『早い・安い→売れれば良い』を追求した結果。

《以下引用》リンク

■発酵食品のはずが、発酵していない?

発酵食品とは、コウジや酵母、乳酸菌や納豆菌など、発酵に携わる菌の働きによって素材をおいしく、栄養豊富にしたもの。
 しかしながら、菌に任せて食べ物を作るのは、多くの場合時間がかかります。大量生産にはむきません。
 それに、発酵食品の「発酵菌が繁殖できる環境」は「雑菌も繁殖しうる環境」であるため、家庭での手作りのようにこまめに品質チェックができる状況でないと腐敗が心配です。納豆菌のようにちょっとやそっとの雑菌などなぎ倒すような菌ならともかく、割とデリケートな菌などはこまめに手入れをしないと雑菌に負けてしまいます。工場で大量に作って流通させ、店に何日も並べて売るには、そもそも不向きなのです。

 その結果、発酵食品を大量生産・大量販売するためには、伝統的な作り方を諦めざるを得なくなってしまったようなのです。

■菌を使って発酵させる代わりに調味料・添加物で「発酵したっぽい味付け」をした代用品を売ってる

いまお酢ならばわずか1日、味噌・醤油なら2週間〜1ヶ月で作られるケースが多いのが実状です。でも発酵に必要な時間は本来決まっているのです。
おおよその基準とすればお酢ならば最低6ヶ月、味噌ならば10ヶ月、醤油ならば1年、これが最低ラインになるのです。
リンク

例えばタクアンは大根を塩と糠で漬け込んでから、最低三ヶ月をかけないとタクアンにはなれません。…(中略)…しかし、現在の市販されているタクアンは単なる塩漬け大根のようなものがほとんどで、へたしたら一週間もたたぬうちにきれいに着色されて店頭にならんでいるのが現実です。
リンク

また、漬け物の本道であるはずの乳酸発酵を抑えて、その代わりに化学調味料を添加し、「人工的にうまい味」を売り物にしている漬け物も少なくありません。ひどいのになると、にせ発酵感を作り出すために発酵調味料なるものや香料を添加しているものまであるのです。
リンク

そして、菌の働きを活用しない疑似発酵食品は、本来の発酵食品に比べて長持ちしません。
 もともと発酵食品は善玉菌まみれです。善玉菌には、「自分が生きてはびこるために、他の菌をある程度排除する」という性質があります。だからこそ保存食になるのですね。
しかし、市販の発酵食品は、ほとんど菌を活用していません。
 しかも、近年は塩分を摂りすぎないよう減塩タイプが好まれるため、発酵食品に添加される塩の量を減らしているものが少なくありません。食品における塩分の役割は、味をつけるだけではありません。塩に耐えられる発酵菌以外の雑菌が増殖するのを抑える働きがあります。
 つまり、雑菌と戦ってくれる有益菌がおらず、菌の増殖を抑える塩分も少ない。この保存性の悪さを何で補うかというと、そこはやっぱり添加物に頼ってしまうのです。


■「菌なし」「減塩」で作るため、塩味と保存性を別の添加物で補うはめに

漬物に塩分が多いのには、訳があります。長期間漬けておく漬物は、塩分が10%以上ないと常温保存ができません。色落ちを防ぎ、食感を保つという働きもありますし、もちろん味にも貢献しています。塩分を減らすということは、これらの役割を補う添加物を入れるということにほかなりません。そこで登場するのが、化学調味料やソルビン酸、酸化
防止剤、PH調整剤、酸味料、着色料などです。甘草やステビアなどの甘味料を使って、塩分の味をごまかしてもいます。塩分を減らしても、これでは身体にいいはずがありません。
リンク

日本人の食生活に欠かせない漬け物ですが、2〜30年ほど前から塩分の過剰摂取の原因として槍玉にあがるようになりました。
その頃から漬け物の加工現場に転換期が訪れ、それまでは塩とせいぜい着色のためのシソやウコンぐらいでつくられていた漬け物が減塩や美味しそうに見える鮮やかな色付けを目的とした「添加物たっぷりのプール」で作られるようになったのです。
リンク

つい先日も、減塩タイプの浅漬けによって食中毒が発生してしまいました。リンク

塩分過剰が健康に悪いのは確かですが、手当たりしだい塩を減らせばいいというわけでもない模様。昔から保存食品に塩を使ってきたのには、それなりのわけがあるのです。食品保存において塩が果たしている働きをちゃんと意識しておけばよかったのですが。

《引用以上》

シェアする

フォローする